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【国際】ブラックロック、2021年のエンゲージメント重要テーマ発表。長期志向に向け3つ設定

 投資運用世界大手米ブラックロックは12月7日、投資先企業への2021年の重要エンゲージメントテーマを3つ発表した。近年同社は、翌年の投融資先の改善を期待し、年末から年始にかけて重要テーマを発表するようになっている。

【参考】【国際】ブラックロック、2020年のエンゲージメント重要テーマ発表。長期志向に向け5つ設定(2020年3月24日)

 今回の設定したテーマは、「各市場でのベストプラクティスと整合性のある取締役と従業員のジェンダー・民族ダイバーシティ」「主要ステークホルダー及びのその利益を理解」「2050年までのカーボンニュートラルという国際合意と整合性のある計画」の3つ。

 同社は、投資先企業への積極的なエンゲージメントを、スチュワードシップの一つ位置づけており、「ブラックロック投資スチュワードシップ(BIS)」の名付けている。今回、企業のサステナビリティ・マネジメント能力が、企業の長期的なリスク調整ごリターンを上昇させることがさらに確認されるとともに、議決権行使での投資家の影響力行使による最新の情報を踏まえ、今回のテーマを設定したという。

 同社は今回、来年に向けての大きな方針転換の一つとして、エンゲージメントでの有効性を確認するために、他の株主から株主提案が提出された場合にも、積極的に株主提案を支持し、議決権行使を行っていくことを挙げた。特に気候変動リスク、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)、ロビー活動、取締役の質、ステークホルダーの利益理解に関しては大きな関心を示した。取締役の質に関しては、取締役報酬と取締役ダイバーシティを重視することも明確にした。

 加えて、2021年前半に、投資先への要求事項をより詳細に整理し、公表することも伝えた。その際には、自然資本に関する内容も明示するという。

 同社は2019年7月1日から2020年6月30日までに、2,000社以上にエンゲージメントし、合計で3,000回の対話の場を設けてきた。この数値は過去最高で、前期と比べても1.5倍に増加。エンゲージメント先は、株式投資額の61%をカバーしたという。そのうち気候変動観点で排出量の多い企業は約440社とし、エンゲージメントを強化していたが、2021年には1,000社以上にまで対象を拡大するという。

 株主総会での議決権行使でも2020年7月以降、すでに環境テーマで9事案のうち3事案に、環境テーマでも13事案のうち3事案に賛成票を投じた。2021年の株主総会シーズンでも積極的に議決権を行使する構え。

 また同社は、投資テーマとしても、「インフレ抑止よりも強力な経済政策。国債投資よりも株式投資」「米中による地政学的二極化での中国への積極投資」「サステナビリティ変革重視の企業への積極投資」の3つを挙げた。

【参照ページ】Delivering on our commitment to sustainability and stewardship
【参照ページ】A new investment order

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