静岡銀行は1月月29日、日本の中小企業向けで初となるポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施した。静岡県磐田市に本社を置く四輪用座席シート裁断縫製メーカーの平野ビニール工業に対し、1億円の運転資金を融資した。
ポジティブ・インパクト・ファイナンスは、三井住友信託銀行が、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)が策定した「ポジティブ・インパクト金融原則」に準拠し開発した融資スキーム。日本では、環境省からも「インパクトファイナンスの基本的考え方」が発行されており、静岡銀行も双方に準拠した。準拠保証については、日本格付研究所がセカンドオピニオンを提供した。
同原則では、企業活動が環境・社会・経済のいずれかの側面において与えるポジティブとネガティブ双方のインパクトを包括的に分析し、特定されたポジティブインパクトの向上とネガティブインパクトの低減に向けたアクションを支援する。
【参考】【国際】UNEP FI、金融機関の一般的な投融資のポジティブ・インパクト投資フレームワーク提示(2018年12月1日)
【参考】【日本】環境省、「インパクトファイナンスの基本的考え方」発表。定義や手法要件を提示(2020年7月17日)
【参考】【日本】三井住友信託銀行、東レにポジティブ・インパクト・ファイナンス融資。通算10件目(2020年9月3日)
(出所)静岡銀行
今回の融資案件では、ポジティブ・インパクトとネガティブ・インパクトが予想される分野を特定してKPIを設定し、インパクトのモニタリング体制を構築。モニタリングは、日本格付研究所の協力を得て、一般財団法人静岡経済研究所が担当する。但し、今回のスキームでは、日本格付研究所をモニタリング体制に内包するスキームを、日本格付研究所がセカンドオピニオンを提供するという形となった。
【参照ページ】本邦初! 中小企業向け「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の契約を締結
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