2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアチブ「Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)」は10月20日、初の進捗レポートを発行した。NZAOAは2年毎に進捗レポートを発行することを決定している。
NZAOAは、発足の2019年には12社、運用資産総額2.4兆米ドル(約260兆円)でスタートしたが、現在は56社、9.3兆米ドル(1,000兆円)にまで伸長。加盟機関には、投資ポートフォリオでの2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)、1.5℃目標と整合性のある5年単位の中間目標の設定が義務付けられている。
今回の進捗レポートでは、加盟の早かった29社の目標を発表。株式、債券、不動産の3つのアセットクラスで2025年までにカーボンフットプリントを25%から30%削減する目標にコミットしたことが明らかとなった。新規加盟の機関も1年以内に目標設定が課されている。目下、国債とインフラのアセットクラスでも目標の対象とするよう内部で検討中。
またNZAOAは、加盟機関に、気候変動対策でのポジティブファイナンスの運用額の進捗報告も義務付けている。今回、運用資産総額の平均4%が気候変動へのポジティブファイナンスに投資されていることもわかった。
エンゲージメントでは、アセットオーナーは2025年までに平均34件の集団的エンゲージメントを実施することを計画。また、投資先企業のうち平均123社に対し、エンゲージメント後に、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)に目標を承認されること、もしくは2050年カーボンニュートラル目標にコミットすることを求めていることもわかった。
アドボカシーでは、各国政府に対し、カーボンプライシング(炭素価格制度)の導入を提言。炭素価格も現状から2030年までに約3倍にする必要があると提唱している。
【参照ページ】NET-ZERO ASSET OWNER ALLIANCE MEMBERS TO CUT PORTFOLIO EMISSIONS 25-30% BY 2025
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