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【イギリス】LGIM、世界収入格差が英国の2050年カーボンニュートラルの障壁と警鐘。政府・自治体・消費者の協働重視

 世界保険大手英リーガル&ゼネラルの運用子会社リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)は10月20日、世帯収入格差が英国の2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成目標の障壁になると警鐘を鳴らすレポートを発表した。

 年収4万ポンド(約630万円)以上の世帯では、再生可能エネルギー導入意思が20%、電気自動車(EV)購入意思が18%、スマートメーター導入意思が53%なのに対し、年収2万ポンド(約300万円)未満では、各8%、4%、44%と差分があった。

 また同調査では、英国消費者の52%が、太陽光パネルの設置に高い関心がある、54%が地熱ヒートポンプの設置に関心があると回答。しかし、家計負担が大きな障害となっており、資金を拠出をしたいまたは可能なのは、太陽光パネル設置コストの13%、地熱ヒートポンプ設置コストの10%に過ぎなかった。最も裕福な年収8万ポンド(約1,300万円)以上の世帯でも、地熱ヒートポンプ設置コストの16%。年収2万ポンド(約300万円)未満では6%だった。

 LGIMは、英政府が2028年までに地熱ヒートポンプを年間60万台導入する目標のもと、住宅所有者にヒートポンプ設置に最大5,000ポンド(約80万円)の補助金を拠出するボイラー・アップグレード・スキーム(BUS)を提供しているが、低所得の世帯には不十分だと指摘。個別の世帯の努力に頼るのではなく、政府、自治体、家庭でのコストを負担し、コミュニティ単位での転換を進める必要があるとした。

 また同社は、一人当たり二酸化炭素排出量や、世帯当たり再生可能エネルギー発電量、大気質、緑地の利用可能性、EV充電スタンドの利用可能性等に基づく指標「Greener Communities Index」を開発。イングランド南西部等の人口密度の低い地域では、大気質や緑地アクセスに優れる一方、EV充電スタンドや再生可能エネルギー発電所の導入が遅れるリスクがあると分析した。

 同指標での評価上位10都市は、英スコットランドのスターリング、イングランドのアラーデール、ノーサンバーランド、ブレックランド、バーキング・アンド・ダゲナム、イースト・サフォーク、ミッド・サフォーク、グレート・ヤーマス、ドーバー、ベッドフォード。都市部から郊外、沿岸部まで分散しており、地理的条件のみがグリーン移行の特徴を決めるわけではないことが明らかになった。

【参照ページ】Household inequalities threaten UK target of Net Zero emissions by 2050

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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