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【国際】TNFD、テストプロジェクト報告書発表。食品・消費財セクターでベータ版

 国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)と、英環境NGOグローバル・キャノピーは3月8日、自然関連財務開示タスクフォース(TNFD)での情報開示フレームワーク策定に向けた、食品・消費財セクターでのテストプロジェクトの報告書を発表した。

【参考】【国際】TNFD、テストプロジェクト開始。大豆をテーマ。マクドナルド、テスコ等が参加

 今回の報告書は、TNFDでの情報開示フレームワークが、企業や金融機関にとって実用的かつ実現可能なものであるために、考慮すべき点を明確にすることを目的としたもの。大豆のサプライチェーンを運営または投資している企業を対象に実施された。参加している企業は、マクドナルド、ラボバンク、サンタンデール、テスコ、ビタソイ等。世界自然保護基金(WWF)が技術的な支援を提供した。

 今回の報告書では、4つの重要な学びが得られたとしている。

 1つ目は、詳細なガイダンスが必要であること。ハイレベルなフレームワークだけでは、組織によって解釈が大きく異なり、一貫性のない情報開示になる可能性が高く、比較不可能なものとなってしまう。全ての業界、金融、地域に対応できる情報開示のフレームワークであると同時に、具体的な実例、データ、ツール、指標を提示する考えを示した。

 2つ目は、段階的なアプローチが必要であること。TNFDは、報告主体が徐々にフレームワークに合わせていくための3つの段階的なアプローチを定義している。この段階分けがどのように機能し、段階ごとの報告主体への期待をより明確にする必要があるとした。

 3つ目は、情報開示の中にリスクに対する具体的な行動を組み込む必要があること。現在の気候変動や自然環境の深刻さを踏まえると、詳細かつ包括的な情報開示を待たずに、早期に具体的なアクションを行う必要がある認識を示した。自然環境への影響や依存性に関する基本的な理解があることを前提に、より自然に配慮した分野、産業、プロジェクトへの投資を開始する必要があるとした。

 4つ目は、自然関連リスクに対するより詳細な研究が必要であること。今後の研究分野として、社会的懸念、依存性、自然関連リスクがどのように財務リスクに変換されるのかについての理解を深めることを挙げた。

 今後は3月中にベータ版のフレームワークが発表される予定。ベータ版のテストプロジェクトでは、パーム油セクターで実施する準備を進めているとのこと。最終版は2023年に発表される予定。

【参照ページ】TESTING A NATURE-RELATED RISK FRAMEWORK IN THE CONSUMER STAPLES SECTOR
【参照ページ】Proposed Technical Scope for TNFD

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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