ビジネスの国連持続可能な開発目標(SDGs)推進国際NGOのWorld Benchmarking Alliance(WBA)、英人権NGOのKnowTheChain、国際人権NGOビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)は5月17日、日本企業の人権パフォーマンス結果に基づく、提言レポートを発表した。
今回の分析は、WBAが2021年に実施した「社会トランスフォーメーション指数(CSI)」の評価結果を基にしている。CSIは、世界の大手1,000社を対象に、過去3年間の英語の公開情報を基にスコアリング。日本企業も67社が対象となった。CSIの評価は、「人権」「ディーセント・ワーク」「倫理的事業慣行」の3つの観点から、合計18の指標で構成されている。
CSIの2021年調査結果は、2022年1月にWBAから概要が発表されているが、今回は日本企業に絞った分析レポートが発表された形。日本企業の課題が浮き彫りとなった。
まず、調査対象となった大企業67社のうち79%は、人権へのコミットメントを開示しており、40%は国際労働機関(ILO)の労働権の尊重もうたっている状況。但し、人権デューデリジェンス(HRDD)を構成する人権影響の特定、評価、行動に関しては、64%がスコアがゼロ。ステークホルダー・エンゲージメントについても85%がゼロだった。
一方、人権デューデリジェンスで満点を獲得した企業も9社あった。具体的には、アサヒグループ、ファーストリテイリング、不二製油グループ本社、INPEX、KDDI、キリンホールディングス、三井物産、NEC、楽天グループ。
WBAが発表したグローバルの調査結果でも、人権コミットメントと、救済メカニズムの構築については整備が早く、人権デューデリジェンスは遅れている状況。それでも整備が年々進んできており、特にフランスとイギリスのスコアは、日本企業を大きく上回っている。
WBAは1月に、今年の調査対象結果2,000社も公表している。
【参考】【国際】World Benchmarking Alliance、2022年の「SDG2000」リスト発表。評価対象企業(2022年1月20日)
【参照ページ】人権デューディリジェンスに関する日本企業の評価から得られたエビデンス
【参照ページ】2022 Social Transformation Baseline Assessment
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