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【国際】UNEP FI、金融機関向け気候リスク分析ツールの最新動向発表。CTVaRやPVaRの解説も

 国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は6月、金融機関が気候変動リスクを評価する際のテクニカル補足資料2023年版を発表した。各サービスプロバイダーが提供している分析結果指標について解説するとともに、ダミーデータをインプットし、結果の差異をまとめた。

 UNEP FIは、金融機関の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)開示を促すため、各サービスプロバイダーが提供しているツールやデータベースの比較報告書として、2021年に「Climate Risk Landscape」を初めて発行。2022年にアップデート版の補足資料を発行している。制作は、UNEP FIのTCFDワーキンググループで、現在、金融機関44社が参画。日本からは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とみずほフィナンシャルグループが入っている。

【参考】【国際】UNEP FI、金融機関向けに気候リスク分析ツールの動向紹介資料発表。15社の事例も(2022年4月19日)

 UNEP FIは3月、「Climate Risk Landscape」の2023年版を発表。同文書では、ツールの比較ではなく、近年続々と誕生している気候リスク分析に関する法規制やガイドライン、気候シナリオ等の解説を行った。その上で、今回のテクニカル補足資料2023は、ツールやデータベースの最新動向を紹介するとともに、ダミーポートフォリオを準備し、各ツールで分析した結果を示している。

 今回の文書では、附属の章で、気候バリューアットリスク(CVaR)、気候移行バリューアットリスク(CTVaR)、累積リターン、暗黙の気温上昇、グリーンシェアとブラウンシェア、カーボンパフォーマンス分析、物理リスクスコア、物理的バリューアットリスク(PVaR)、予想損失等、ベンダーが分析した様々な移行リスクと物理リスクの指標についても考察した。

 UNEP FIは今回、市場に各種ツール類が続々と出てくるため、エクセル版の「気候リスク・ツール・ダッシュボード」の提供も開始。40以上のツールを掲載した。今後も原則四半期毎に更新していく考え。

【参照ページ】The 2023 Climate Risk Landscape: Technical Supplement
【参照ページ】The 2023 Climate Risk Landscape

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