
農林中央金庫は3月29日、「Climate & Natureレポート2024」を発行。同金庫として初めて自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)にも沿った報告を気候変動と自然資本で一体的に行った。
同金庫は今回のレポートの中で、石油・ガスセクターと鉄鋼セクター向けの温室効果ガス排出削減(ファイナンスド・エミッション)での2030年中間目標を設定した。石油・ガスセクターの中間目標設定は日本の大手金融機関では早い方と言える。
石油・ガスセクターでは、スコープ1と2で1MJ生産当たりの排出量を2019年度の8.9g-CO2eから2030年度に3.1g-CO2eにまで下げる。スコープ3では総量で2019年度実績の0.51Mt-CO2eから、2030年度に0.37Mt-CO2eに下げる。
鉄鋼セクターでは、1t生産当たりの排出基準として、2019年度の1.99t-CO2eから、2023年度には1.54から1.73t-CO2eに下げる。
石炭セクターでは、ファイナンスド・エミッション目標ではなく、すでに策定している「投融資セクター方針」に基づく措置とした。同方針ではすでに、⽯炭⽕⼒発電所の新規建設と既存発電所の拡張への投融資と、⼀般炭採掘事業およびそれに紐付くインフラ開発事業を主たる事業とする新規の企業の投融資を禁止している。それに向けたエンゲージメントを行う。同金庫はすでに一般炭への投融資エクスポージャーがゼロになっている。石炭火力発電向けは2040年までに投融資残高をゼロにする。
TNFDの観点では、投融資ポートフォリの分析概要を公表。セクター毎に自然関連の移行リスクと物理的リスクが懸念されるセクターを4地域区分毎に一覧表示した。投融資先のバリューチェーン評価では、食品・農業セクターを対象とし、aiESGのデータを活用しながら、環境フットプリントの大きい品目を大まかに把握した。
【参照ページ】「Climate & Nature レポート 2024」の発行について
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