
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は5月21日、「スチュワードシップ活動・ESG投資の効果測定プロジェクト」の一環として、「エンゲージメントの効果検証」報告書を公表した。
GPIFは、国内株式の運用委託先に対し、投資先企業へのエンゲージメントを積極的に行うよう求めている。今回、効果を検証するため、GPIFの国内株式の運用委託先21ファンドが、2017年度から2022年度に行った26,792回、延べ48,077テーマのエンゲージメントの記録を用い、「差分の差分法(DID)」を用いて因果推論を行った。
その結果、気候変動に関する対話では、エンゲージメント内容に直結したカーボンニュートラル目標の設定の増加等と共に、PBRやトービンのQ等の企業価値指標の改善が確認された。取締役構成・評価に関するエンゲージメントでは、独立取締役人数の増加とともに、時価総額や配当込み収益率等の投資収益指標の改善がみられた。具体的には、取締役会構成・評価をテーマにしたエンゲージメントで、エンゲージメント対象企業が非対象企業と比べて平均的に時価総額が6%も増大していた。
GPIFは、今回の効果検証の結果、運用会社のエンゲージメントに大きな価値があったと表明。今後もより効果的なエンゲージメント活動の実現を進めると伝えた。
【参照ページ】エンゲージメントの効果検証
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