
スズキは6月27日、定時株主総会を開催し、同社の主力市場のインドで、2030年度までに自動車の販売シェア50%を目標とする方針をあらためて表明した。電気自動車(EV)の生産、販売、輸出でもインド首位を目指す。
【参考】【インド】スズキ、EVとEV二輪の新型モデル公開。インドから世界に輸出(2025年1月9日)
スズキは2月、2025年度から2030年度までの新中期経営計画を発表。2021年度から2025年度までの計画では、販売台数は未達だったものの、為替や売上構成の改善、品質の改善等により、売上・利益目標を前倒しで達成。営業利益率やROEも大幅に目標を上回った。但し、主力のインド市場では、シェア下落や電動車の競争激化等、事業環境が変化。戦略の再考が必要としていた。
同社の2030年度の販売台数目標は、全体で420万台。そのうちインドが254万台(2023年度が179万台)を占め、日本の70万台(同67万台)を大幅に上回り、インド市場に注力する計画となっている。インド自動車市場のシェアは2023年度に41.6%で、これを50%にまで高める。
2030年度までの商品計画では、日本市場では、引き続きハイブリッド車(HV)が80%、電気自動車(EV)が20%としているのに対し、インド市場では、EV15%、HV25%、圧縮天然ガス車(CNG)35%、エタノール混合燃料対応25%としており、新エネルギー車両(NEV)比率を大幅に引き上げる。その上で、EVの生産、販売、輸出でインド首位を目指す。生産台数では、市場状況を見ながら適切なタイミングでインドで年400万台体制とし、生産のインドシフトも図る。
EVバッテリー調達では、中国BYD(比亜迪)傘下のFinDreams Batteryがパートナー。HV向けでは、東芝、デンソー、スズキの合弁会社TDS Lithium-ion Battery Gujarat(TDSG)からの調達を進める。EV二輪バッテリーでは、タタ・オートコンプと中国ゴーション(合肥国軒高科動力能源)の合弁会社タタ・ゴーションから調達する。
スズキは1月、ダイハツ工業、トヨタ自動車と協働で商用EV軽バンの開発も進めており、各々が2025年度中に販売開始する計画も発表している。また、4月には、EV軽トラックの実証実験も開始済み。
【参照ページ】スズキ新中期経営計画(2025~2030年度)
【参照ページ】スズキ、ダイハツ、トヨタ、商用軽バン電気自動車の導入時期を決定
【参照ページ】スズキ、BEV軽トラックの実証実験を開始
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