機関投資家200機関は9月26日、米上場企業47社に対してパリ協定の目標に則したアクションを要請し、同目標と矛盾するロビー活動は投資リスクをみなすと警告する共同書簡を送付した。参加した機関投資家の運用資産総額(AUM)は6.5兆米ドル(約700兆円)。米ESG投資推進NGOのCeresが主導した。
参加した主要な機関投資家は、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)ニューヨーク市財務長官室、ニューヨーク州退職年金基金、ワシントン州投資委員会、コネティカット州年金基金、サンフランシスコ市職員退職年金基金(SFERS)、シアトル市職員年金基金、USS、AP1、AP2、AP3、AP4、AP7、オーストラリア・スーパー、BNPパリバ・アセット・マネジメント、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、Robeco、ClearBridge Investments、ハーミーズ・インベストメント・マネジメント、Mercy等。
今回対象となった47社、機関投資家の気候変動イニシアチブ「Climate Action 100+」の対象リストに入っている米国企業。航空会社、電力、自動車製造、石油精製、軍事機器、化学、飲料、小売等の業界等、二酸化炭素排出量が多い企業が選定されている。
今回の共同書簡の背景には、米国の自動車燃費規制に関する方針、原油・ガス採掘からのメタン排出等の気候変動対応と逆行した動きがあり、一部の企業は気候変動に関する公式声明と、所属する業界団体によるロビー活動の内容に矛盾が生じている。
機関投資家等は、同企業に対し、企業の気候変動ロビーに活動に関する投資家の期待にどのように応えているかを報告するよう要求した。具体的な内容は以下の4つ。
- 自社のロビー活動と、所属する業界団体の慣行が、投資家が期待する気候変動に関するロビー活動の内容に則しているかを確認する
- 自社が所属する組織によるロビー活動の位置づけを見直す
- 自社が所属する組織のロビー活動がパリ協定の目標と一致しない場合、同組織の方針転換に向けたエンゲージメントを行う
- 自社が所属する組織がパリ協定と整合した方針を示したがらない場合、離脱を含む必要な措置を講じることを検討する
欧州の機関投資家は昨年、同様の書簡を企業へ送付しており、ロイヤル・ダッチ・シェルやBP、ユニリーバ、エクイノール等は既に対応している。
【参照ページ】200 Investors Call on US Companies to Align Climate Lobbying with Paris Agreement
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