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【中国】石炭から再生可能エネルギーへのシフトを鮮明に。国家エネルギー局「エネルギー発展計画」発表

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 中国の国家発展改革委員会と同委員会直属の国家エネルギー局は1月5日、「第13次5カ年計画(2016年から2020年)」期間の包括的エネルギー政策を示した文書「第13次5カ年エネルギー発展計画」を発表した。国家発展改革委員会と国家エネルギー局は12月に再生可能エネルギー分野のエネルギー政策を記した「第13次5カ年再生可能エネルギー発展計画」を発表していたが、今回の発表により現5カ年計画のエネルギー政策の全体像が出揃ったことになる。

 発表されたエネルギー政策は、主に、エネルギー消費量、エネルギー構成の調整、エネルギー生産地の調整、エネルギー効率、エネルギー安全保障、イノベーションの6分野で構成されている。まずエネルギー消費量では、2020年まで国内のエネルギー消費量を標準炭換算で50億トン以内に抑えるとの目標を示した。中国がこうした目標を設定するのは初めて。同時に総消費量増加率を2011年から2015年までの第12次5カ年計画期の3.6%から1.1%下げ、2.5%に留めることも定めた。

 エネルギー構成では、石炭割合を58%以下にまで低減させ、天然ガス割合を10%に、水力、原子力、再生可能エネルギーを含む非化石燃料エネルギー割合を15%にまで引き上げる。第13次5カ年計画期のエネルギー増加分の割合に対しては、非化石燃料エネルギーと天然ガスが全体の68%以上を占め、石炭に比べ3倍の規模で増強していくとした。また、石油エネルギーに関しては、大気汚染に悪影響を与える硫黄含有量の低減を行う燃費基準の厳格化と同時にバイオ燃料を用いた石油消費量そのものの低減も掲げた。

【参考】国務院、主要都市の排出ガス規制を「ユーロ5」並みに強化することを決定(2015年6月10日)

 5年間で増加を見込む各発電設備容量は、風力発電79GW、太陽光発電68GW、水力発電60GW(うち揚水発電17GW)、原子力発電31GW、天然ガス火力発電44GW、石炭火力発電20GW未満。これにより2020年の発電設備容量は、多い順に、石炭火力1,100GW未満、水力380GW(うち揚水発電40GW)、風力発電210GW、太陽光発電110GW、天然ガス火力発電110GW、原子力発電58GWとなる。このように中国は原子力発電開発を進めているが、それ以上に風力や太陽光発電の増加率が非常に高い。またバイオエネルギー発電を15GW、地熱利用を標準炭換算で4,200万tにまで高めていくことも掲げた。さらに、今回の計画では、2020年までに、水力、風力、太陽光、バイオエネルギーで全体の15%以上を調達することを目標とした。

 エネルギー生産地の調整では、従来から続いてきた「西部で生産し東部の消費地へ送る」という構造を改める。今後の方針としては、エネルギー消費地での生産に重点を置き、中国の中部及び東部での再生可能エネルギー開発を加速させる。そのため、開発する風力発電の58%、太陽光発電の56%は中部及び東部に集中させる。

 エネルギー効率の向上では、主に石炭火力発電を対象に余剰発電設備の削減を実施するととともに、既存の石炭火力発電所の二酸化炭素排出量削減及び省エネ化に向けた施設改修を大規模に実施する。またピーク時電力需要対策のため、揚水発電や天然ガス火力発電の強化も実施する。エネルギー安全保障の側面では、エネルギー自給率を高めるため省エネを最優先事項とするとともに、国内での資源開発を推進していくことも盛り込んだ。そのため、新疆やオルドス盆地などでの資源探索、海洋資源探索などを推進していく。海外エネルギーの輸入では、「一帯一路」政策を通じて資源各国との関係強化を図る。最後にイノベーション分野では、新たな技術開発には、競争原理や市場原理が不可欠とし、国家による開発を推進しつつ市場メカニズムも採り入れていく。

 世界のエネルギー消費大国中国は、石炭から再生可能エネルギーへのシフトを鮮明にしている。

【参考】【インド】政府、今後10年間の国家電力計画案を公表。石炭火力発電の新設をゼロに(2016年12月31日)

【参照ページ】能源局发布《能源发展“十三五”规划》等
【政策】电力发展“十三五”规划(2016-2020年)
【政策】可再生能源发展“十三五”规划

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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