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【国際】デンマーク人権研究所、各国NAP策定状況レポート発表。企業への実効性に依然課題

 デンマーク政府の人権研究機関であるデンマーク人権研究所(DIHR)は11月26日、各国のビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)の策定状況をまとめたレポートを発表した。NAP策定は、2011年に制定された国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)で定められた、人権保護活動の柱の一つ。

 各国政府のNAP策定は、国連人権理事会、G20、各国の人権関連機関、企業団体等から強く策定が要請されている。しかし、すでにNAPを策定した国は21カ国に留まる。21カ国は、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スペイン、ポーランド、チェコ、スイス、アイルランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、リトアニア、ジョージア、コロンビア、チリ。策定にかかった時間は、リトアニアの19ヶ月からスイスの54ヶ月まで開きがあり、平均でも33ヶ月(約3年弱)かかっている。

 その他11ヶ国が、現在公式にNAPを策定中。その中には日本も含まれる。他には、タイ、インドネシア、マレーシア、ケニア、モロッコ、アルゼンチン、ペルー、メキシコ、スロベニア等がある。それ以外にも15ヶ国が政府以外の団体が策定を主導している。

 DIHRは、NAP策定済みの国についても、国連ビジネスと人権に関する指導原則の遵守や、企業関連の人権侵害からの保護について実効性を発揮できていないと指摘した。そのため、策定済の15カ国についても現行のNAPの強みと弱みを認識するよう求めた。実際に英国は、すでに第2次NAPを発表している。イタリアも11月27日、第2次NAPを発表した。

 日本では現在、政府側では外務省が調整役を務め、経団連、日本弁護士連合会、日本労働組合総連合会、ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)等が中心となって、NAP策定の意見交換を行っている。実効性のあるNAPが策定できるかに注目する必要がある。
 
【参照ページ】Does your government have a plan to prevent business-related human rights abuses?
【レポート】NATIONAL ACTION PLANS ON BUSINESS & HUMAN RIGHTS
【イタリア第2次NAP】PRESENTATION AT THE UNITED NATIONS OF THE NATIONAL ACTION PLAN ON BUSINESS AND HUMAN RIGHTS 2016-2021 UPDATED

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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