国連環境計画(UNEP)は3月12日、海洋プラスチック問題に関する3つのレポートを発行した。2010年時点のデータを包括的に分析するとともに、2025年までの予測を立てた。同時に、国際機関や各国政府が参照すべき海洋プラスチックに関するモニタリング・ガイドラインや、海洋プラスチックと女性が果たしてきた役割に関する現状分析もまとめた。
2010年時点で、192ヶ国から発生したプラスチック廃棄物は約2億7,500万t。そのうち480万tから1,270万tが海洋に流出した。まだ同時点で、アジア太平洋地域だけで年間111億点のプラスチック製品が生み出されており、2025年には157億点にまで増える見込み。プラスチック廃棄物には、化学繊維もあり、洗濯過程で出るミクロレベルの繊維が河川や海洋に流出した過去累積重量は7億tにも上る。
目下、海洋プラスチックによって生態系が脅かされている魚介類の種は700以上とも800以上とも言われる。最も深刻なプラスチック廃棄物となっているのは漁具で、全体の46%を占める。さらに今後、気候変動によってどのような加速度的な影響が出るかはまだはっきりとはわかっていない。
今回発行したモニタリング・ガイドラインは、プラスチック廃棄物のモニタリングと評価に関するもので、特にナレッジが不十分な発展途上国向けに作られている。同ガイドラインは、全ての大きさのプラスチック廃棄物を扱っており、海洋や海岸に流出するもの、海水面を漂流しているもの、水域内を浮遊しているもの、海洋生物内が摂食したもの、海洋生物に付着しているもの等、幅広く扱っている。
女性が果たしてきた役割については、これまで把握されてこなかった海洋沿岸部での女性の生活や労働をしっかりと把握することの重要性を説き、持続可能な海洋環境を維持していく上で、男性と女性が共通で果たしていくべき役割を捉え直した。
【参照ページ】Research highlights true impacts of plastics on our planet, ecosystems, people
【レポート】Plastics and Shallow Water Coral Reefs
【レポート】Guidelines for the monitoring and assessment of plastic litter and microplastics in the ocean
【レポート】Gender Mainstreaming in the Management of the Marine and Coastal Ecosystems
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