EUの欧州環境庁(EEA)は12月4日、EUの包括的な環境動向をまとめた報告書「European Environment - state and outlook 2020(SOER 2020)」を発行した。SOERはEEAが1995年以来5年毎に発行している報告書で、SOER 2020は第6版。EUは過去20年間、気候変動緩和、気候変動適応、大気汚染、水質汚染、プラスチック汚染、サーキュラーエコノミー、バイオエコノミーで大きな改善が見られたが、このままでは2030年目標を達成できないと、迅速なアクションを求めた。
同報告書は、各環境項目毎に、過去の取り組みと2030年の見通しを評価。また、2020年、2030年、2050年の各段階での政策目標達成見込みを分析した。2030年に向けては、気候変動緩和、生物多様性、省資源の面で大幅にアクションが足りないことがわかった。また、全ての分野において、政策目標達成のための十分な推進力は得られておらず、これまで以上の規模とスピードの対策が求められていると警鐘を鳴らした。
同報告書は、目標を達成するために7つ対策を提言。「既存政策のうち達成できていないポテンシャルの把握」「政策意思決定フレームワークにサステナビリティを考慮」「国際的なサステナビリティ・アクションを主導」「社会全体でのイノベーション促進」「投資拡大とファイナンスの方向づけ」「リスクマネジメントと社会的に公正な移行の確保」「ナレッジやノウハウの構築」を挙げた。
【参照ページ】Europe’s state of the environment 2020: change of direction urgently needed to face climate change challenges, reverse degradation and ensure future prosperity
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