米気候変動物理的リスクアセスメント大手Four Twenty Seven(427)は12月4日、気候変動のインパクトやシナリオ分析の課題、アプローチ方法をまとめたレポートを発表した。427は7月、ムーディーズ傘下に入っている。
【参考】【アメリカ】ムーディーズ、気候変動の物理的リスク評価大手427買収。ESG評価機能強化進む(2019年7月26日)
気候変動は金融の安定性を脅かしており、投資家と規制当局は、資産や市場、経済へのインパクトを適切に理解し、備える必要がある。企業には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに整合した物理的リスク評価や開示が求められるが、科学的根拠に基づき、意思決定に役立つシナリオ分析を行うには、複雑なフィードバック体系や変動的なタイムスパン、複数の相互作用する要因等、多くの検討事項があり、課題がある。
同レポートでは、経済活動や政策から切り離し、既に固定されたインパクトが何か調査し、代表濃度経路(RCP)シナリオがどのように適合するかを特定。短期的な物理的リスクのシナリオ分析アプローチを説明した。
- 複数シナリオの下、気候リスク定量化は、物理的リスクがどのように金融リスクをもたらすかを理解する重要な要素
- 気温上昇、干ばつ、海面上昇等の多くの物理的インパクトは、二酸化炭素が大気中にとどまる時間と大気にかかる時間のため、既に固定されたリスクとなっている
- 多くの場合シナリオ分析は、今後10から30年の政策や二酸化炭素排出量目標が主な推進力となる「移行リスク」の観点からアプローチする。しかし、今後数十年間の気候変動による物理的インパクトは、ほぼ固定されているため、「物理的リスク」に対しては他のアプローチが必要
- 物理的リスクの影響の不確実性は、モデルの不確実性によるため、短期的な物理的リスクのシナリオ分析に注目が集まる
- パーセンタイルベースの分析は、ポートフォリオレベルのスクリーニング、レポーティング、運用会社との直接的なエンゲージメントに適した、柔軟なアプローチを提供する
【参照ページ】Demystifying Climate Scenario Analysis for Financial Stakeholders
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