運用会社、公的年金基金ら約180機関は3月23日、世界大手企業95社に対し、人権保護への取り組み強化を要請する書簡を送付した。同機関投資家らの運用資産残高(AUM)は約500兆円。投資先企業との集団的エンゲージメントを実施していく。
今回の書簡を送付したのは、ビジネスと人権に関する国際イニシアチブ「企業人権ベンチマーク(CHRB)」。同イニシアチブは2019年11月、世界主要企業の人権格付の2019年結果を発表。機関投資家らは、同格付の観点の一つ「人権尊重と人権デューデリジェンス」で0点となった下位95社に対し、次回評価が開始する2020年7月までに迅速な対応を行うよう促した。
対象企業は、カールスバーグ、スターバックス、ガスプロム、ラルフローレン、コストコ、フィリップス・バン・ヒュ ーセン(PVH)、タイソン・フーズ等。
今回日本企業も多数が人権ゼロ点と判断され、集団的エンゲージメントの対象となった。具体的には、キヤノン、ファミリーマート、HOYA、国際石油開発帝石(INPEX)、JXTGホールディングス、キーエンス、京セラ、日本製鉄、セブン&アイ・ホールディングス、サントリー食品インターナショナルの10社。
【参考】【国際】2019年「企業人権ベンチマーク(CHRB)」発表。首位アディダス。日本企業18社対象、評価低い(2019年11月18日)
同書簡は、人権リスクの軽減は、責任ある企業として当然対応すべきことであるのみならず、業務遅延、レピュテーションリスク、経済損失、法的責任等へのエクスポージャーを削減するためにも重要だと指摘した。
書簡送付に参加した機関投資家は、ERAFP(フランス公務員退職年金基金)、ニューヨーク市財務長官室、ニューヨーク州退職年金基金、AVIVA Investors、PGGM、PKA、Robeco等、176機関。運用資産総額は4.5兆米ドル。
【参照ページ】Press Release: Investor statement on weak performance in 2019 Benchmark
【参照ページ】Investor Statement Calling on Companies to Improve Performance on the Corporate Human Rights Benchmark
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