エネルギー世界大手マレーシアのペトロナスのムハンマド・タウフィク社長兼グループCEOは10月28日、2050年までの二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を宣言した。アジアのエネルギー大手で、同宣言を行ったのはペトロナスが初。天然ガス・再生可能エネルギーへの事業シフト、炭素回収・利用・貯蔵(CCUS)、植林等を組み合わせ、実現を図る。
エネルギー大手ではすでに、株主である機関投資家等からのプレッシャーを受け、ロイヤル・ダッチ・シェル、BP、トタルがカーボンニュートラル目標を発表しており、今回ペトロナスもそれに続いた形。
同社は今回、新型コロナウイルス・パンデミックや、再生可能エネルギーへの転換を求める世界的な動きを受け、今回の宣言を行ったと表明。今回実現に向け、5つの方向性を示した。
- スコープ1での二酸化炭素排出量削減:フレアやメタンガス漏出の削減、工場での省エネ
- 廃棄物での二酸化炭素排出量削減:廃棄物の最少化とバリューチェーン全体のでのリサイクル促進
- 事業転換:天然ガス及び再生可能エネルギーへの事業シフト
- 二酸化炭素排回収:原油増進回収法(EOR)等のCCUS活用
- オフセット:炭素隔離目的で自然環境型ソリューションへの投資
またカーボンニュートラルを考慮した事業運営を行うため4つの観点も示した。
- インパクト重視:従業員、顧客、取引先、地域社会とともにインパクトを追求
- 政策アドボカシー:2050年カーボンニュートラルへ向かう政策を積極的に支持
- 人材・組織文化:能力開発、キャリア成長、組織文化を2050年カーボンニュートラルの方向へ転換
- ライフサイクル重視:環境インパクトをライフサイクル全体で測定
同社は、短期的な目標として、2024年までにスコープ1とスコープ2の二酸化炭素排出量を4,950万t削減し、再生可能エネルギーの設備容量を3GWにする計画を発表している。
【参照ページ】To achieve net zero carbon emissions by 2050
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