国際環境NGOのThe Climate Group(TCG)は12月16日、事業電力100%再生可能エネルギーの国際イニシアチブ「RE100」の2020年の年次報告書を発行した。2020年は、新型コロナウイルス・パンデミックによる打撃にもかかわらず、RE100の加盟企業数は増加し、264社にまで増えた。一方、加盟企業の報告の中で、再生可能エネルギー100%への障壁が高い国として挙げられた国の中に、日本も含まれていた。
【参考】【エネルギー】RE100と現在の加盟企業 〜再生可能エネルギー100%を目指す企業経営〜(2020年12月19日)
今回の報告書は、RE100が加盟企業に課している年次報告を集計、分析したもの。加盟企業261社から2019年の結果を収集した。今回は地域毎の再生可能エネルギー割合に関する設問に152社が回答し、昨年のよりも詳細なデータが集められるようになった。さらに、サプライヤーへのエンゲージメントの内容の回答も141社から、再生可能エネルギーへの切り替え戦略を回答した企業も135社あった。
その中で、地域毎の再生可能エネルギー100%の達成の障壁に関する設問には66社が回答。多くの回答で挙げられた国は、日本、韓国、中国、台湾、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン、ロシアだった。日本に関する障壁理由では、入手可能な電力量とコストが最も多く、次いで規制障壁を挙げる声も多かった。コストが大きな理由だったのは、日本、台湾、シンガポール、オーストラリア。
再生可能エネルギー100%の達成時期では、加盟企業の平均は2028年。2030年までの達成でも全体の75%を占めた。しかし現状の割合は二極化しており、すでに100%が20%、80%以上でも33%いるのに対し、10%未満も24%、30%未満も39%いた。
調達手法では、多くの国では、グリーン電力認証等の取得が過半数を占めていたのに対し、欧州だけは、グリーン電力メニューでの購入が56%と最多だった。一方、急成長しているのが、電力調達契約(PPA)で、2015年の3.3%から2019年には26%にまで増加。積極的に需要家が電源開発を促進していることがわかった。
またRE100としても、2020年には、加盟企業へのチェック制度も創設。RE100達成の方向へ向かっているかについて認定するプロセスを設け、「グリーンウォッシュ」の企業を排除することを始めた。RE100を達成しても認定プロセスは続けられ、100%を維持し続けているかがチェックされる。
【参照ページ】Growing renewable power: Companies seizing leadership opportunities
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