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【国際】BMW、主力アルミ・サプライヤーが再エネに切替え。EV生産のCO2を17%減。再生素材活用にもシフト

 自動車世界大手独BMWグループは2月8日、アルミニウムを供給している主力サプライヤーが工場電力を太陽光発電に切り替えたと発表した。同社は2030年までにスコープ3の二酸化炭素排出量20%削減を目標として設定している。

 同社は、電気自動車(EV)が走行時の二酸化炭素排出量が小さい一方で、EVバッテリーやアルミニウム製造での二酸化炭素排出量が大きい点を課題視。対策を講じないと、2030年までにバリューチェーン全体での二酸化炭素排出量が33%以上増加してしまうと分析した。

 EVバッテリーは、内燃機関車のエンジンと比べ、重量増となるため、車体や駆動系部品を軽量なアルミニウム素材にする重要性が高い。しかし、アルミニウム製造での二酸化炭素排出量は大きく、特にアルミニウム鉱石のアルミナから生産するプライマリー・アルミニウムは、世界全体のアルミニウム産業からの二酸化炭素排出量の約60%を占める。

 同社はすでに、第5世代EVバッテリーを供給するサプライヤーに対し、再生可能エネルギー電力のみで工場を稼働させることでサプライヤーと合意。さらに今回、同社にアルミニウムを供給しているアラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ・グローバル・アルミニウム(EGA)が、太陽光発電電力100%でのアルミニウム生産を開始した。調達したアルミニウムは、ドイツ・ランツートにあるBMW軽金属工場で加工し、車体や駆動系部品を生産する。EGAからのアルミニウム調達量は43,000tで、同工場のアルミニウム調達量全体の約半分を占める。EGA生産のアルミニウムはBMWが独占調達している。

 EGAが電力調達する太陽光発電は、ドバイ電力水道庁(DEWA)が運営する世界最大級の太陽光発電所「モハメッド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム・ソーラーパーク」。電源を太陽光発電に切り替えたことで、BMWは今後10年間で二酸化炭素排出量を250万t削減できる見込み。この削減量は同社のスコープ3排出量削減目標の約3%に相当する。

 また同社は、ドイツ・ランツフートの工場で生産されるアルミニウム製品は、アルミニウムの国際サステナビリティ認証であるASI認証も2019年12月から取得済み。

 さらにBMWは、二酸化炭素排出量削減のため、2030年までにリサイクルした再生原料の含有量比率を数倍にまで高める目標も設定している。加えて2020年からは、調達契約の中にカーボンフットプリント基準も設けた。その結果、電気自動車(EV)モデル「iX」では、再生可能エネルギーを利用したバッテリー製造や、原材料の二次利用量の増加により、二酸化炭素排出量を17%削減できることとなった。

 BMWは2030年までにEVとプラグイン・ハイブリッド車(PHV)を合計700万台生産する予定で、そのうち3分の2をEVとする計画。

【参照ページ】Harnessing the power of the desert sun: BMW Group sources aluminium produced using solar energy

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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