自動車世界大手米GMは3月11日、2020年3月に発表した電気自動車(EV)の新型バッテリー「Ultium(アルティアム)」の素材開発で、米バッテリー・スタートアップSES(旧SolidEnergy Systems)との提携を発表した。SESは、陽極不要の画期的なリチウムメタルバッテリーを2014年に発表し、業界で注目を集める1社。GMのCVCであるGMベンチャーズは、6年前にSESに出資していた。2015年の追加出資を機に、共同開発を開始していた。
SESは、マサチューセッツ工科大学(MIT)出身の胡启朝(フー・チーチャオ)氏が、2012年に米ボストンで創業。今でもMITは共同研究相手となっている。今回GMと共同開発したリチウムメタルバッテリーは、保護された陽極を備えつつ、価格、性能、エネルギー密度の全ての面で、大幅な改善を実現。コストは60%減で、小型化も実現できたため、搭載車種が大幅に拡大できるという。
開発したプロトタイプ型は、ミシガン州にあるGMグローバル・テクニカル・センターのR&Dラボで、すでに15万マイル(24km)の走行実験を実施。今回の提携では、2023年までにSESの本社近くにプロトタイプの製造ラインを建設することで合意した。今回の開発で、GMは45件の特許を取得し、49件の特許も申請中。提携先のSESも、知的財産を今回の共同開発に投入している。
【参考】【アメリカ】GM、EV新型バッテリーUltium発表。航続距離960km。LG化学との合弁で生産(2020年3月12日)
【参考】【アメリカ】GM、2025年頃までに30車種をEV化。2.8兆円投資。次世代アルティアムも開発(2020年11月30日)
【参考】【国際】GM、2035年までにハイブリッド車も禁止しEV・FCV化。StoreDotは5分充電バッテリー完成(2021年1月31日)
【参照ページ】GM Targets Range and Battery Cost Improvements to Accelerate All-Electric Future
【画像】GM
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