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【ノルウェー】年金基金GPFG、投資先に人的資本の監督強化や情報開示要求。具体的4項目

 ノルウェー公的年金基金GPFGの運用を担うノルウェー銀行投資マネジメント部門(NBIM)は8月17日、投資先企業の取締役会に対し、人的資本に関する新たな投資家期待を発表した。NBIMの運用資産額は約156兆円。

 NBIMは今回、「人的資本とは、企業の従業員が持つスキル、教育、知識、能力、モチベーションの集合体の経済的価値と定義され、その価値の割合はますます高まっている。生産性と成長の原動力として、人的資本への投資の重要性が研究により明らかにされている」と表明。さらに「従業員満足度の高さは、財務業績の向上にもつながる。イノベーションを生み出す環境と従業員のエンパワーメントを促進する人的資本への戦略的な投資は、企業が新たなビジネスチャンスをつかみ、競争優位を獲得するために役立つ」とした。

 その上で4つの事項を伝えた。

 まず、事業方針と戦略へ人的資本マネジメントの組入れ。特に、取締役会が、人財マネジメント戦略の策定と実施を監督し、その責任を負うとした、また、取締役会は、人的資本に投資する文化の醸成と、安全で働きやすい職場環境の整備を奨励する必要があるとした。さらに、自社だけでなく、サプライチェーン全体の従業員に言及し、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を促進するための積極的かつ体系的なアプローチを持つべきとした。さらにギグワーカーに関しても、ギグワーカーも人的資本マネジメントの対象との姿勢を明確にした。

 2つ目は、リスクマネジメントへの人材マネジメントの組入れ。DE&I及び労働安全衛生リスクを、リスクマネジメントの対象とし、自社とバリューチェーンの関連部分のリスク軽減を実施するよう求めた。

 3つ目は、情報開示。特に、SASB/ISSB、GRI等の国際スタンダード等との整合性を図るべきとした。また、投資家が状況を分析できるよう、データだけでなく、十分なコンテキスト情報も開示すべきとした。開示対象には、正規雇用社員だけでなく、サプライチェーンや季節労働者、パートタイム労働者、派遣労働者等も加えるよう伝えた。開示情報としては、労働者数、労働総コスト、離職率、ダイバーシティデータ等の労働力に関する主要な情報に言及。ダイバーシティに関しては、性別、マイノリティグループ、従業員カテゴリー別に行うべきとした。データでは、前年度比較や、目標、実績評価ができる指標を用いるべきとした。

 4つ目は、透明で責任のあるエンゲージメント。労働組合、安全衛生代表、従業員支援団体等とのエンゲージメントの重要性を強調した。さらに苦情処理メカニズムや内部通報メカニズムの整備、女性やマイノリティの声が適切に反映される苦情処理メカニズムの設計、政府アドボカシーでの透明性確保等を求めた。

【参照ページ】New expectation document on human capital

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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