欧州小売業界団体ユーロコマース(EuroCommerce)は10月27日、国際的な気候変動イニシアチブ「Race to Zero: Breakthroughs Retail Campaign」のアクセラレーターになると宣言した。2030年までに小売業界でのカーボンニュートラルを実現するため、会員企業のカーボンニュートラルへの参加を促す。ユーロコマースは、欧州27ヶ国の小売業界団体、各セクター団体、小売世界大手等が加盟している。
Race to Zero: Breakthroughs Retail Campaignは、ベストバイ、H&M、Ingkaグループ(イケア)、キングフィッシャー、ウォルマートが発起人となり、2021年6月に発足。COP26ハイレベル気候行動チャンピオンとWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が共同運営しており、国連のRace to Zeroイニシアチブでの小売企業向け下部キャンペーンの位置づけとなっている。
今回、スペインのANGED、ポルトガルのAPED、ギリシャのESEE、フランスのFCDとFrance Commerce、ポーランドのPOHiD、オランダのVakcentrumの各国の小売業界団体も、ユーロコマースとともにRace to Zero: Breakthroughs Retail Campaignのアクセラレーターになることを決定。英国小売連合、オーストラリア小売協会は先行してアクセラレーターとなっている。
ユーロコマースは最近、マッキンゼーと共同で報告書を発行。小売・卸売業のバリューチェーンはEUの排出量の40%を占めているが、そのうちスコープ1とスコープ2は5%にすぎず、スコープ3の削減が鍵を握ると指摘している。今回の活動でもスコープ3削減が活動の柱となる。
ユーロコマースは10月20日には、欧州委員会が3月30日に打ち出した「グリーントランジションのための消費者エンパワーメント」戦略に関するポジションペーパーも発行。小売企業に求められる要件や認証の使い方の要件の明確化や、メーカー側にも相応の対応を求めていくことを提言した。
【参考】【EU】欧州委、「サステナブル製品イニシアチブ」発表。消費者訴求や製品規格のルール刷新へ(2022年4月2日)
【参照ページ】EuroCommerce plus seven national retail associations pledge to accelerate climate action for the Race to Zero
【参照ページ】Empowering consumers for the Green Transition
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