化学世界大手独BASFとバイオ化学ベンチャー米AgBiomeは3月30日、新たなバイオ殺菌剤「Howler」を欧州および中東、アフリカの主要国へ上市することに合意した。
AgBiomeは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、モンサント、シンジェンタ、ノボザイムの出資により創設したベンチャー企業。BASFは、バイオ殺菌剤の開発と、欧州、中東、アフリカへの登録を支援。各国での独占販売を行う。最初の上市は2024年度を予定している。
同バイオ殺菌剤は、フハイカビ、フザリウム、リゾクトニア、ボトリチスやその他の病害に有効。野菜や草花、ゴルフ場の芝等に使用できる。
またBASFと素材製造米トリンセオは3月29日、サーキュラーエコノミー対応型のスチレン事業を拡大すると発表した。BASFは、植物由来のバイオ素材と、ケミカルリサイクルした再生プラスチック由来のスチレンの2種類のスチレンを生産。トリンセオは、同スチレンを活用し、溶液重合型スチレンブタジエンゴム(S-SBR)およびポリスチレン(PS)を製造する。S-SBRはタイヤメーカーに、PSは食品包装や電化製品メーカーに供給する。
BASFは、バイオ素材のスチレンでは、マスバランス・アプローチを採用。有機廃棄物や植物油を再生素材の原料とする。マスバランス・アプローチは、原料のトラッキングは徹底しないが、分量に応じてリサイクル性を訴求できる手法で、BASFが中心となって国際的に普及させようとしている。
ケミカルリサイクル型のスチレンでは、マテリアルリサイクルが難しい家庭プラスチック廃棄物や廃タイヤを用いるフィードストック型のケミカルリサイクル。
双方の手法とも、ナフサや天然ガスを代替する効果がある。
【参照ページ】BASF and AgBiome collaborate on a new biological fungicide for Europe, Middle East and Africa
【参照ページ】Trinseo and BASF jointly announce Business Collaboration on Circular Feedstock
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