欧州証券市場監督局(ESMA)は9月27日、インフレ状況下でのリテール投資家向けの投資商品販売に関し、金融機関に声明を発表した。第2次金融商品市場指令(MiFID II)に基づき、インフレに関する適切な情報提供義務があることを周知した。
今回ESMAは、ウクライナ戦争後の激しいインフレは、投資や投資判断にも影響を及ぼしていると指摘。しかし個人投資家の中には、インフレと金融市場の関連性を十分に理解せず、貯蓄や投資の意思決定でインフレをどう反映させるべきかを十分に理解していない人が多いと言及。投資家保護の観点から、インフレ及びインフレリスクを説明するよう求めた。
特に、第2次金融商品市場指令(MiFID II)では、「投資会社が顧客又は潜在顧客に対するマーケティング・コミュニケーションを含むすべての情報は、公正かつ明確であり、誤解を招くものであってはならない」ことが定められていることを踏まえ、インフレリスクの公正な情報提供は、投資会社の義務とした。特に、元本保護型の金融商品販売に関しては、長期インフレは保護適用事項ではないこと、インフレ調整後のリターンがマイナスになる可能性があることを明確に説明するよう求めた。
さらに運用意思決定でも、MiFID IIの「適合性」の要件として、市場リスクや信用リスクの評価と同様に、インフレリスクを考慮すべきと明言。インフレリスクの分散をすべきとした。
【参照ページ】To investment firms on the impact of inflation in the context of investment services to retail clients
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