経済産業省は5月7日、海洋生分解性プラスチックの普及に向け今後の主な課題と対策を取りまとめた「海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップ」を策定した。「実用化技術の社会実装」「複合素材の技術開発による多用途化」「革新的素材の研究開発」の3つの観点からロードマップを位置づけた。
まず第1段階として、プラスチック包装・容器の素材転換を対象とした「実用化技術の社会実装」では、2020年を目処に産業技術総合研究所(AIST)や日本バイオプラスチック協会が中心となって海洋生分解機能に係る国際基準づくりをISO(国際標準化機構)に提案する。また産業技術総合開発機構(NEDO)を中心に、生分解性プラスチック製造のバイオプロセスも改善しにいく。生分解性プラスチックの需要開拓では、経済産業省が立ち上げた「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)を柱に、国内外でのイベント出展やビジネスマッチングを行う。さらに2021年頃から識別表示制度を整備し、2020年代後半から分別回収を強化する。
また、第2段階として、不織布(マスク等)や発泡成形品等を対象とした「複合素材の技術開発」では、2020年頃からNEDOを中心にセルロースナノファイバー等のコスト削減や複合方法の加工性の向上を目指す。第3段階としては、海洋プラスチックの最も大きな汚染源と言われる漁具等を対象とした「革新的素材の研究開発」で、NEDOを中心に2019年度から革新的素材の創出に向けた海洋生分解性メカニズムの解明や、生分解コントロール機能の付与、水産庁と協働で漁具の代替素材の導入検討、製品評価技術基盤機構(NITE)と協働で海洋生分解の担い手となる新たな微生物の発見にも力を入れる。
【参考】【日本】経済産業省、プラスチック代替素材開発の企業アライアンス正式発足。159社・団体参加(2019年1月23日)
【参照ページ】海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップを策定しました
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