銀行向けのプロジェクトファイナンス分野での環境・社会配慮に関する国際ガイドライン「エクエーター原則(赤道原則)」策定のエクエーター原則協会は11月18日、加盟機関が集う年次総会を開催し、改訂版となる第4版を採択した。同協会は2017年10月に改訂に着手。2019年6月に原案を発表し、パブリックコメントを募集後、今回の改訂に至った。
今回の改訂では、人権、気候変動、先住民族の権利、生物多様性等の観点を強化。特に、特定国での「自由で事前の十分な情報に基づいた同意(FPIC)」に関するアプローチや、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が規定する気候変動の物理的リスク及び移行リスクの考慮等が強化された。また、エクエーター原則の適用範囲を、プロジェクトファイナンスからプロジェクト関連のコーポレートローンにも拡大。また、中央政府が借り手となる場合のカテゴリーA適用除外を定めた例外規定も撤廃した。
今回の改訂に関し、国際NGOのバンクトラックは11月21日、今回の改訂が不十分に終わったと批判。NGO312団体は11月13日、踏み込んだ規定を設けるよう要請していたが、果されなかったと失望感を示した。養成では、石炭採掘や石炭火力発電、石油パイプライン、ガス・ターミナル等に対するプロジェクトファイナンスを禁止しないことや、先住民族の権利に関する幅広い権利保護を求めていた。
【参考】【国際】国際NGO74機関、エクエーター原則第四版案にパブコメ提出。協会への苦情通報制度導入を要請(2019年8月29日)
【参考】【国際】NGO312団体、エクエーター原則に高い基準の改訂を要求。高い「大志」と「勇気」持つべき(2019年11月20日)
【参照ページ】A strengthened Equator Principles, and new leadership for the Association
【参照ページ】With New Equator Principles, Banks Fail to Act on Climate or Indigenous Rights
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