
国連環境計画(UNEP)は6月、金融機関向けに、深海底資源開発に伴う財務リスクと環境影響を分析したレポートを発行した。UNEPは海洋経済(ブルーエコノミー)に関する分析レポートを連続発行しており、今回もその一環。深海底資源開発は実施すべきでないとの立場を鮮明にした。
【参考】【国際】UNEP、金融機関に「海洋石油・ガス採掘へのファイナンスをやめるべき」。報告書(2022年5月20日)
同レポートは、深海は生物多様性に富み、幅広い重要な生態系サービスを提供していると指摘。深海底資源採掘に関連する生態系への影響データは不足しているが、すでに深海底資源開発が海洋生態系に大きなダメージを与えることを科学的コンセンサスは示唆しているとした。今後、気候変動、持続不可能な漁業、汚染等の複合的な潜在的影響により、採掘による影響が悪化する可能性があるとした。
また、現在までに、深海底資源開発の潜在的な生態学的影響を回避する強固な予防的アプローチは存在しないと言及。国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)が持続可能なブルーエコノミーへの融資に関して進めている作業の中で、深海底資源開発への融資が持続可能なブルーエコノミー融資原則と一致するとみなしうる予測可能な方法は存在しないとまで言明した。
【参照ページ】HARMFUL MARINE EXTRACTIVES: DEEP-SEA MINING
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