持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は12月15日、サーキュラーエコノミー型の建築物を実現するための枠組みに関する報告書を発表した。2023年2月24日までパブリックコメントを募集する。
今回の発表は、建築物をサーキュラーエコノミー化するための主要な検討結果をまとめたもの。建設・不動産業界は世界の淡水消費量を12%、二酸化炭素排出量と固形廃棄物の約40%を占める。サーキュラーエコノミー化に重要な要素、指標、バリューチェーンへの適用等についてWBCSDに加盟する企業と6ヶ月間の研究を実施した。
同報告書では、建築物のライフサイクルの各フェーズごとにサーキュラーエコノミー化に向けた設計が必要だとし、材料や素材の循環、各製品の長寿命化等の重要性を訴えた。指標のモニタリングでは、WBCSDが策定したサーキュラーエコノミー度の測定指標ガイドライン「サーキュラー・トランジション指標(CTI)」をベースに測定手法を検討。建物を要素、レイヤー、製品、材料の4層に分けて考える手法を提唱した。
また、データ精度を上げるため物理的な捉え方だけではなく、建築物の機能や利用方法の観点でデータを集めるための6つの観点も提案。建築物の再利用率やリサイクル素材の割合、使用済みの製品の回収率などの建築物そのものに関するモニタリングだけではなく、使用された水やエネルギー、二酸化炭素も測定が必要とした。
今回のフレームワークは、ホルシム、ジョンソンコントロールズ、ストラエンソ、アルカディス、スワイヤー・グループ、マジドアルフッタイムグループ、サンゴバン、シーカ等が策定に協力した。
【参照ページ】Measuring circular buildings - key considerations
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