
EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は6月13日、欧州横断輸送ネットワーク(TEN-T)の改正ガイドライン規則案を可決した。同EU規則案はすでに欧州議会でも可決されており、同EU規則が成立した。EU官報掲載の20日後に発効する。
【参考】【EU】欧州委、交通・輸送のグリーン・デジタル化で具体的な政策発表。公共交通機関や徒歩・自転車を重視(2021年12月26日)
TEN-Tは、欧州グリーンディール戦略に基づき、モビリティのカーボンニュートラル化の一環として2021年12月に欧州委員会が発表。その後のロシアによるウクライナ戦争勃発により、安全保障の観点からも、EU域内での鉄道、道路、水路の統合が重要視されていった。
同EU規則では、基幹ネットワークは2030年まで、拡張コアネットワークは2040年まで、包括的ネットワークは2050年までに、明確な完成期限を設定した新設もしくは改修の計画を策定することを規定している。特に、2040年という中間目標は、鉄道網の未整備等、主に国境を越えた大規模プロジェクトの完成を2050年から前倒しするために設定された。これにより、ポルト-ヴィーゴ間、ブダペスト-ブカレスト間の高速鉄道の新規接続等を2040年までに完成させることになる。
また同EU規則では、基幹ネットワークの回廊を鉄道貨物回廊と統合し「欧州輸送回廊」と呼称。鉄道、道路、水路を一体的に計画していく。さらに、ロシアに対抗するため、4つの欧州輸送回廊をウクライナとモルドバに拡張する一方、ロシアとベラルーシとの国境を越えた接続を格下げした。
【参照ページ】Trans-European transport network (TEN-T): Council gives final green light to new regulation ensuring better and sustainable connectivity in Europe
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