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【日本】双日、豪ムーラーベン一炭鉱権益を中国大手に売却。MUFGも石炭積出港融資債権を売却

 双日は3月27日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のムーラーベン一般炭(石炭)炭鉱で、保有していた権益10%を3億豪ドル(約200億円)でYancoal Australiaに売却すると発表した。同社は2019年5月、一般炭権益の新規取得原則禁止、2030年までの一般炭権益を半数以上削減という方針を策定。今回の売却はそれに沿ったもの。

 同案件は、2007年に双日から豪資源大手フェリックス・リソーシズから権益10%を約90億円で取得していたもの。双日は権益の取得とともに日本向け独占販売権も取得し、2009年頃から日本の需要家向けに販売していた。また同案件には、2008年1月から韓国のコンソーシアムが権益も10%をフェリックス・リソーシズから取得している。同コンソーシアム内の取得内訳は、韓国鉱物資源公社(KORES)6%、韓国電力公社(KEPCO)、韓国南東電力会社(KOSEP)、韓国中部電力会社(KOMIPO)、韓国西部電力会社(KOWEPO)、韓国南部電力会社(KOSPO)、ハンファ(Hanwha)の6社が各1%ずつ。2009年5月には、国際協力銀行(JBIC)も双日に同調して同案件に融資し、JBICが石炭海外インフラ案件として石炭関連融資を加速させる大型案件第1号となった。

 フェリックス・リソーシズは、オーストラリア証券取引所に上場していたが、2009年に中国資源大手兖州煤炭(兖煤)が買収。兖煤のオーストラリア子会社Yancoal Australiaがムーラーベン一般炭の所有者となる。現在もYancoal Australiaが権益85%を保有しており、今回双日から10%を購入することで権益全体の95%を握る。それ以外にもYancoal Australiaは、オーストラリアで数多くの石炭権益を持つ世界大手となっている。

 兖煤は現在、香港証券取引所、ニューヨーク証券取引所、上海証券取引所に上場。Yancoal Australiaもオーストラリア証券取引所に上場している。兖煤は、今回の買収資金を、グローバルオファリングと香港証券取引所で公募で調達する。

 石炭関連の資産売却では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)も3月18日、オーストラリア・クイーンズランド州グラッドストーン港のウィギンズアイランド石炭ターミナル(WICET)プロジェクトへの融資8,500万米ドル(約93億円)を、ヘッジファンドに1米ドルあたり52セントと約半額で譲渡することを決めたと、ロイターが報じている。同プロジェクトは、スイス資源大手グレンコアの案件。他に、豪ニュー・ホープ、コロナド・グローバル・リソーシズ、中国のYancoal、宝山鋼鉄の豪子会社のアクィラ・リソーシズの4社も出資している。

【参照ページ】双日、豪州ムーラーベン一般炭炭鉱権益の売却に合意

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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