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【ドイツ】フォルクスワーゲン、初のEVバッテリー・リサイクル工場完成。リサイクル率90%以上目指す

 自動車世界大手独フォルクスワーゲンの部品製造子会社フォルクスワーゲン・グループ・コンポーネンツは1月29日、電気自動車(EV)のバッテリーリサイクル工場をドイツ・ザルツギッターに建設した。EVバッテリーのリサイクル工場は同社グループとして初。

 同工場でリサイクルする前には、急速充電ステーションでの充電やモバイル充電ロボットとして機能するかを検査し、二次利用できる場合は、二次利用を優先する。二次利用が困難と判定されれば、同工場で、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルト、アルミニウム、銅、プラスチック等の素材を回収する。長期的にリサイクル率90%を達成する狙い。

 工場の必要な廃バッテリーの大規模回収は早くても2020年後半からとなるため、同工場の生産規模は年間最大3,600個のバッテリー・リサイクルでスタート。将来的には生産規模拡張も視野に入れる。リサイクルした再生素材を用い、再生可能エネルギー電力で生産を行った場合、62kWhバッテリー1個当たり約1.3tの二酸化炭素排出量を削減できる。

 同工場のリサイクルでは、エネルギーを大量に消費する高炉での溶解は行わず、深放電と解体を実施。個々の部品をシュレッダーで、アルミニウム、銅、プラスチック、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルト等に細かく砕く。その後、専門パートナーにより、水と化学薬品を使用する湿式製錬で、個々の物質の分離と処理を行う。

 また、フォルクスワーゲンは1月21日、EUで新車に課される走行時の二酸化炭素排出量の2020年目標を達成したと発表した。EUで新車に課される走行時の二酸化炭素排出量は、1kmあたり97g。同社の車両では1kmあたり92gに抑え、2019年比22%の二酸化炭素排出量削減に成功した。

 同社は、2020年から2024年にかけて、電気自動車(EV)に110億ユーロ(約3,900億円)以上を投資。ドイツ・ツウィッカウおよびドレスデンの工場に加え、ドイツ・エムデンおよび米テネシー州・チャタヌーガ等の工場を、EV製造用に切り替える。2025年までに、新たに20モデルを投入予定。

 2021年度には、EV専用に開発した技術プラットフォーム「モジュラー・エレクトリック・ドライブ・マトリックス(MEB)」を活用し、EVモデルを拡張。モデル「ID.4」「 ID.4 GTX」「ID.5」を段階的にリリースする。

 同社は2020年、過去最大となる21.2万台のEV(HEV含む)を投入しており、そのうちBEVは13.4万台。BEVの製造台数は2019年比で3倍だった。モデル「ID.3」は2020年12月、フィンランド、スロベニア、ノルウェーで最も流通する車種となり、スウェーデンでは、最も売上絶対台数の多い車種となった。またオランダとドイツでは、同社EVのシェアがそれぞれ23%、23.8%となり、EVシェアで首位となった。

【参照ページ】Transforming old into new: Volkswagen Group Components commences battery recycling
【参照ページ】Volkswagen Passenger Cars over-fulfils European CO2 fleet targets for 2020

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サステナビリティ研究所

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