機関投資家大手80機関以上が参加する低炭素経済推進イニシアチブ「Transition Pathway Initiative(TPI)」は11月13日、国際サステナビリティ報告策定NGOのGRI、SASB、国際統合報告評議会(IIRC)、CDP、CDSBの5団体が表明した包括的な企業情報開示フレームワークの策定構想について、賛同するととともに、要望もまとめたポジションペーパーを発表した。
【参考】【国際】GRI、SASB、CDP、IIRC等、非財務情報開示での合同アクション発表。ダイナミック・マテリアリティ提唱(2020年9月16日)
機関投資家が運営母体となっているTPIには、現在、機関投資家等87機関が活動に参画しており、運用資産の総額は22.5兆米ドル(約2,350兆円)。今回の声明では、企業のESG情報開示は進みつつも、機関投資家が満足できる水準にはなっておらず、特に企業戦略や投資意思決定との結びつきが不明確との一般的な見方があることを踏まえ、改善が必要とした。
その上で今回TPIは、5団体がまとめた方向性に対し、TPIが開発してきた「TPIマネジメント・クオリティ指数」と、特に二酸化炭素排出量の多い業種に対して実施してきたカーボン・パフォーマンス評価、Climate Action 100+イニシアチブが必要とするデータの3つについては、策定するフレームワークの中に含めるよう要請した。また投資家は今後も情報開示を求めるため新たなイニシアチブを立ち上げる予定があり、それらの動きも踏まえるよう求めた。
またマテリアリティについては、企業だけがマテリアリティを判断することについては抜け漏れが出るとし、幅広いステークホルダーの観点から、マテリアリティを考慮し、企業に対し情報開示を求めていくルールが必要とした。
証券監督者国際機構(IOSCO)も10月28日、5団体と協働していく姿勢を示しており、議論が活発化してきた形。
【参考】【国際】証券監督者国際機構、ESG情報開示基準でGRIやSASB、IIRC等の協働を歓迎。IFRC財団にも強い関心(2020年11月4日)
【参照ページ】TPI Position Paper on the efforts towards Comprehensive Corporate Reporting by CDP, CDSB, GRI, IIRC and SASB
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