金融世界大手英HSBC、国際環境NGO世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の3者は5月20日、気候変動対策での新たな技術やプロジェクトへの支援を拡大するためのパートナーシップを締結すると発表した。ビジネス・イノベーション、自然を軸としたソリューション(NbS)支援、アジア地域での再生可能エネルギーへのエネルギー転換イニシアチブの3領域で連携する。
HSBCは2020年10月、2050年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)に整合したファイナンスを達成すると発表。今回のアクションもその一環。同社は2030年までに、カーボンニュートラルへの移行に総額7,500億(約82兆円)から1兆米ドル(約110兆円)を投資する予定。また、金融業界全体での活動を広げていくことも約束している。
今回のパートナーシップでは、HSBCが、3領域に合計1億米ドル(約1.1億円)を寄付。さらにHSBCは金融専門性を提供。WRIとWWFは、環境に関する知見と経験、現地パートナーとのネットワークを活用し、政策や規制の不安定性や需給バランス、成熟した測定ツールや実例の欠如等で、投融資を受けられずにいる気候変動対策プロジェクトを支援する。
ビジネス・イノベーションでは、二酸化炭素排出量削減ポテンシャルがあるものの、事業拡大のための資金援助や伴走が必要なスタートアップ企業を支援。WWFのプラットフォーム「Impactio collaboration」を活用し、大学や研究機関、インキュベーターやアクセラレーターとの協働に繋げる。5カ国のスタートアップ企業18社との第1弾の実証プロジェクトが発足済み。2021年後半には事業展開を予定している。
自然を軸としたソリューション(NbS)およびNbSアクセラレーターでは、湿地やマングローブの保全や持続可能な農業等、20以上のプロジェクトを支援。気候変動に対して最も脆弱性の高い地域における環境・社会レジリエンスの改善を行い、カーボンニュートラルを目指す。また3者は、自然を軸としたソリューションをスケールさせるプロジェクト「NbSアクセラレーター」も展開する。
エネルギー移行では、世界のエネルギー消費量の35%を占める中国、インド、インドネシア、ベトナム、バングラデシュを対象国に設定。アジアにおける再生可能エネルギーへの転換やヘルスケア、繊維、アパレル業界での省エネプログラムを進める。
【参照ページ】HSBC partners with WRI and WWF to scale next generation solutions to climate change
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