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【EU】EU理事会と欧州議会、新車販売2035年ゼロエミッション化で政治的合意。今後法制化

 EU上院の役割を果たすEU加盟国閣僚級のEU理事会と欧州議会は10月27日、乗用車とバンの新型車種に関し、二酸化炭素排出量性能基準の厳格化で政治的合意に達したと発表した。同内容は欧州委員会が提案した「Fit for 55」パッケージで掲げられていた内容。今後、EU理事会と欧州議会での立法手続きに入る。

 小型自動車(乗用車・バン)での二酸化炭素排出量では、2030年までに走行距離当たりの排出量基準を乗用車で55%、バンで50%引下げる基準を設定。さらに2035年には双方で排出量をゼロとすることで合意。すなわち乗用車とバンの新車販売では、2035年までにゼロエミッション車両に限定されることになる。

【参考】【EU】EU理事会、新車販売2035年ゼロエミッション化で妥結。Fit for 55パッケージ(2022年6月30日)
【参考】【EU】欧州議会委員会、2035年に内燃機関自動車・バン全廃の規則案を可決。eFuelにも「No」(2022年5月13日)

 さらに、カーボンニュートラル燃料でも、欧州委員会が、EU法とEUのカーボンニュートラル目標に適合した燃料の基準を確立し、2035年以降に適用する規制措置を導入することを盛り込んだ。特に合成燃料(eFuel)に関しても禁止されるものが出てくることになる。

 またEU域内で販売する新型車種の乗用車及びバンのライフサイクル全体の二酸化炭素排出量と、同車両の消費燃料・エネルギーを算定するEU共通のメソドロジーを欧州委員会が2025年までに策定することも盛り込んだ。自動車メーカーは、策定されたメソドロジーに基づき、新車のライフサイクル排出量を任意で欧州委員会に報告することができるようにもする。但し、生産台数の少ない企業には2036年以降に適用となる。

 イノベーティブな技術で走行時の排出量削減効果を認定し、燃費基準適合に含めることができる「エコイノベーション制度」では、上限を現在の1km当たり7gから、2030年から2034年まで年間最大4gに引き下げることでも合意した。

 また、自動車メーカーがゼロ・低排出ガス車(ZLEV)販売で一定の台数割合基準を達成した場合、燃費基準が緩和される制度「スーパークレジット・システム」を2030年まで継続することでも合意した。現行の制度の台数割合基準は、乗用車が2025年以降は15%と設定されていたが、25%に引き上げる。2030年以降の35%は据え置き。バンも同様に、2025年以降は15%と設定されていたが、17%に引き上げる。2030年以降の30%は据え置き。ZLEVベンチマークを1%ポイント超過すると、メーカーの走行距離当たりの燃費目標値が1%分緩和される。目標値の緩和は最大5%まで。

 今回の合意では、見直し条項を導入することも決まった。二酸化炭素排出量100%削減目標に向けた進捗状況と、プラグインハイブリッド車(PHV)を含む技術開発や、ゼロエミッションに向けたジャスト・トランジション(公正な移行)の重要性を踏まえ、欧州委員会は2026年に見直しの必要性を検討する。

【参照ページ】First ‘Fit for 55’ proposal agreed: the EU strengthens targets for CO2 emissions for new cars and vans
【画像】EU

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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