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BOP(BOPビジネス) 2015/09/04 辞書

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BOPとは?

世界の所得別人口構成をグラフ化すると、下から低所得者層、中間層、富裕層の三段階からなるピラミッド型となりますが、BOP、すなわちBase of the Pyramidは、この最下層の低所得者層を指します。BOP層の詳しい定義は諸説ありますが、2007年に国際金融公社(IFC)と世界資源研究所(WRI)が出版した報告書「The Next 4 Billion」の中で定義された、「購買力平価で年間所得が3000米ドル未満の層」という解釈が一般的です。この報告書のタイトルにある”4 billion”は、世界のBOP層の人口約40億人を指し、これは世界人口の約72%にあたります。

BOPビジネスとは?

BOPビジネスとは、主に開発途上国のBOP層を対象とした持続可能なビジネスのことです。主に多国籍企業がNGOや援助機関と提携し、現地のBOP層のニーズに対応した商品を開発・販売しています。

BOP層に対する誤解は多く見られます。例えば、BOP層は購買力がない、ブランド志向ではない、ネット社会に精通していない、先進国の先端技術を受け入れない…などの意識が一般的に持たれているようです。しかし、現実はその逆であり、BOP層が重要な市場となることが認識され始めています。またBOPビジネスでは、企業の収益拡大のみならず、現地社会の自立や発展、そしてBOP層を含めた世界全体の経済成長が目指されています。

BOPビジネスの成功例

BOPビジネスの成功例として有名なのが、世界的な消費財メーカーであるユニリーバによる、インドの農村地域での石鹸販売です。ユニリーバは、一日の所得が2米ドル以下とされるBOP層のニーズに合わせ、使い切りの石鹸を販売しています。そもそもインドの農村部では石鹸で手を洗う習慣がなく、衛生環境が悪いため、下痢などによる死者が多く発生していました。そこでユニリーバは現地の女性住民を中心に衛生教育セミナーを開催するともに、彼女らを販売員として雇う制度を採り入れました。これにより、女性の雇用が創出され、女性の自立や社会進出が促進されました。インドの農村部での石鹸販売は、ユニリーバ自身に莫大な利益をもたらしただけでなく、ビジネスと社会貢献の両立・現地社会の発展を実現したのです。

その他にも、アフリカ地域でオリセットネットを販売し、マラリア予防に貢献している住友化学や、インドで煙の排出量や薪の使用量が少ないストーブを展開する、オランダの大手電機メーカーのフィリップスなど、BOPビジネスへ参入する企業は年々増加しています。

BOPビジネスの課題と今後

一方で、BOPビジネスには失敗例も多く存在しています。その原因には、価格の不適切性、インフラの対応不足、信頼性の不足などがあります。BOPビジネスの最大の課題は現地密着性であり、地元住民の特性やニーズを十分に把握することが成功のカギであるといえるでしょう。

前述の「The Next 4 Billion」の中で言及されているように、BOP層は「ネクストボリュームゾーン」、すなわち将来的な中間所得層とされています。多国籍企業を含む民間企業やNGOなどの市民団体、救済機関、政府などが連携し、BOPビジネスを活性化することで、世界規模の経済成長が実現し、BOP層が中間所得層として次なる経済の中心を担っていくことが大いに期待されます。

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