MDGsとは
MDGs(Millennium Development Goals、ミレニアム開発目標)は、開発途上国における貧困問題の解決に向けて国連を始め各国政府などの諸機関によって策定された世界共通の開発目標です。2000年9月に189カ国が参加した国連ミレニアム・サミットにて採択された「国連ミレニアム宣言」を受け、1990年を基準年、2015年を達成期限として設定されました。MDGsでは8つの目標、21のターゲット、そして60の指標が掲げられています。
採択の背景
1980年代、開発手法として市場経済メカニズムに依拠する構造調整政策が多くの開発途上国で採用されました。しかし、思うような成果は上がらず、貧困の悪化を招くこともありました。1990年代になるとそれまでの経済に代わり、人間中心の社会開発が主眼に置かれるようになり、1995年の世界社会開発サミットでは世界の絶対的貧困を半減させるという目標が提示されました。MDGsはこのような国際的潮流と前記「国連ミレニアム宣言」を発展的に統合する形で誕生しました。
8の開発目標と主なターゲット
目標1 極度の貧困と飢餓の撲滅
- 1日1.25ドル未満で生活する人口の割合を半滅させる
- 飢餓に苦しむ人口の割合を半滅させる
目標2 普遍的初等教育の達成
- すべての子どもが男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする
目標3 ジェンダー平等の推進と女性の地位向上
目標4 乳幼児死亡率の削減
目標5 妊産婦の健康の改善
目標6 HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止
目標7 環境の持続可能性の確保
- 安全な飲料水と衛生施設を利用できない人口の割合を半滅させる
目標8 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進
- 民間部門と協力し、情報・通信分野の新技術による利益が得られるようにする
MDGs達成における最終評価
2015年7月6日、「ミレニアム開発目標(MDGs)報告2015」が発表され、潘基文(パン・ギムン)事務総長は、「極度の貧困をあと一世代でこの世からなくすところまで来た」と成果を強調しました。
同報告によると、1990年には、開発途上国の半数近くが1日1.25ドル以下で生活していましたが、2015年にはその割合は14%まで減少し、開発地域におけるそう学校の準就学率は2000年に83%から2015年には91%まで上昇しました。インターネットの普及率は2000年に世界人口の6%だったものが、2015年には43%まで増加し、32億人がグローバル・ネットワークと繋がるなど、多くの分野で目標に達することができました。
一方、男女間の不平等は続き、妊産婦の死亡率は目標に遠く及びません。また最貧困層と最富裕層間、都市部と農村部の格差は未だに広がっています。他にも、世界の二酸化炭素排出料は1990年以降50%増加し、約8億人の人々が未だに極度の貧困の中で生活をしているなど、課題も多く残されています。
ポスト2015開発アジェンダ
多くの成果を残すと同時に未解決の課題を世界に突きつけたMDGsに続く目標として、2015年9月25日から27日にかけてニューヨーク国連本部にて開催された「持続可能な開発に関するサミット」にて、「持続可能な開発のためのアジェンダ2030(Transforming our world: The 2030 Agenda for Sustainable Development)」が採択されました。そこでは、新たな課題である「誰一人として置き去りにしない」の実現を目指し、翌2016年から2030年までの開発・環境に関する新たな17個のグローバル目標が提示されています。
参考サイト
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