フェアトレード(Fair Trade) 2015/05/28 辞書

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フェアトレード(Fair Trade)とは?

 フェアトレード(Fair Trade)は、直訳すると「公正な貿易」です。約60年前に「国際貿易では、開発途上国の労働者が、適正な賃金が払われないケースが多い」という問題意識から始まりました。労働者の権利、適切な労働環境を守り、安定した暮らしや経済的な自立をサポートできる公正な賃金を、労働者に払うのが大きな特徴です。また、人にも地球にもサステイナブルな貿易を目指しているので、生産、流通における環境保護、有機栽培、リサイクルなどにも積極的に取り組んでいます。

 現在、世界中、特に先進国にはフェアトレード専門店が多数あり、スーパーなどでも気軽にフェアトレード商品を買うことができます。消費者がフェアトレード商品を継続して買うことが、生産者の自立を助けるため「お買い物を通じた国際支援」とも言われています。

フェアトレードの歴史

 1946年、アメリカのTen thousand villageというNGOが、プエルトリコの女性たちが作った手工芸品を販売したのが最初の試みだと言われています。1950年代にはイギリスの国際協力団体OXFAMも取り組みを始め、アメリカに世界初のフェアトレード店が誕生。1960年代からは欧米で大きな広がりを見せ、開発途上国側にもフェアトレード団体ができ、1970年代には当初は手工芸品中心だったフェアトレード商品がコーヒー豆、紅茶、チョコレート、バナナなど食料品、衣料品まで増えていきました。その後、現在に至るまでフェアトレード商品は増え続けています。開発途上国の労働者からは「経済的に自立できるようになった」「子どもが通学できるようになった」といった喜びの声が寄せられています。

フェアトレードラベル

 フェアトレード商品は主に教会組織やフェアトレード専門ショップ、自然食品店などで販売されていましたが、より多くの人にフェアトレードを伝え、盛り上げていくために、1980年代から「フェアトレードのラベルを作ろう」という運動が盛り上がり、各地で様々なラベルが作られました。その後、1997年に国際フェアトレードラベル機構が設立され、2002年には、バラバラだったフェアトレードのラベルデザインが共通のものとなりました。

フェアトレードの10の指針

 現在、世界中に数多くのフェアトレード団体があるため、フェアトレード団体のネットワークができ、指針を定めています。その1つが(世界フェアトレード機関:World Fair Trade Organization、旧称IFAT)フェアトレード10の指針です。多くの団体は、この指針を守りながら、フェアトレードを続けています。

  1. 生産者に仕事の機会を提供する
  2. 事業の透明性を保つ
  3. 公正な取引を実践する
  4. 生産者に公正な対価を支払う
  5. 児童労働および強制労働を排除する
  6. 差別をせず、男女平等と結社の自由を守る
  7. 安全で健康的な労働条件を守る
  8. 生産者のキャパシティ・ビルディングを支援する
  9. フェアトレードを推進する
  10. 環境に配慮する

※上記の「10の指針」はグローバルヴィレッジのサイトより引用しています。現地の様子とともに指針を紹介している動画は下記をご覧ください。

日本での動き

 日本では、1970年代ごろからNGOなどを通じてフェアトレード商品の販売が始まったとされています。2000年以降は、NGOだけでなく身近なコーヒーショップや大手スーパー、コンビニ、ファミリーレストランでもフェアトレード商品を見かけるようになりました。現在は、学校教育でもフェアトレードが取り上げられ認知度が上がっています。2013年、国内フェアトレード認証製品市場規模は推定約90億円で、フェアトレードがより一般的な欧米に比べると規模は小さいですが、今後も増加する見通しです。

フェアトレードへの批判、課題

 大企業でも増えつつあるフェアトレード商品ですが、批判もあります。例えばジャン・ピエール・ボリス著の『コーヒー、カカオ、米、綿花、コショウの暗黒物語―生産者を死に追いやるグローバル経済』では、大げさな宣伝に対し、実際の流通量が少なすぎる点、フェアトレードラベルの認証に時間、費用がかかりすぎる点などが挙げられています。また、コナーウッドマン著の『フェアトレードのおかしな真実――僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た』では、世界中のフェアトレード生産地を訪ねた結果、生産組合内で搾取構造が存在し、末端の生産農家に適切なお金が支払われていないケースもあった、と指摘されています。また、フェアトレード商品は特に日本では通常の商品より高いことが多いので、いかにその価値を上手に消費者に伝えるか、企業努力が求められています。

 こうした批判、課題を真摯に受け止め、改善しながら、さらにフェアトレードを盛り上げていくことが、今後の更なる発展のカギになるでしょう。

参考文献、参考URL

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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