国連貿易開発会議(UNCTAD)は、1960年代に入り、先進国と発展途上国の経済格差問題「南北問題」が指摘され始め、それを議論するために国連の下で設置された国際機関です。第1回は1964年3月より3ヶ月にわたってスイス・ジュネーブで開催。当初は1回限りの政府間協議の場として設立されましたが、同12月には国連総会でUNCTADを常設の国際機関とすることが決まりました。その後、4年に1回世界各地で開催されています。
UNCTADは、発展途上国の貿易、投資、開発の機会を最大化し、グローバリゼーションから生じる問題に直面する発展途上国を支援し、対等な立場で世界経済へ統合することを目的とし、開発と貿易、資金、技術、投資及び持続可能な開発の分野を総合的に協議するとともに、UNCTADの活動計画を決定しています。
UNCTADの本部はスイス・ジュネーブに置かれ、主な事業として、(1)調査研究と分析、(2)政府間の審議によるコンセンサスの構築、(3)各種のパートナーと進める技術協力プロジェクトの3つを柱としています。UNCTADは194ヶ国の政府、企業、市民セクターと協働し、2015年にニューヨーク・国連本部で開催された国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」の目標達成を試みています。また、世界銀行、国際通貨基金、世界貿易機関、国連開発計画とも提携しながら、開発資金に関する政策枠組みなどを定めた「アディスアベバ行動目標(The Addis Ababa Action Agenda)」の達成にも取り組んでいます。
2016年にケニア・ナイロビで開催された第14回会議(UNCTAD XIV)のテーマは、「決定から行動へ:貿易と開発のための包括的かつ公平なグローバル経済環境への移行」。SDGsの達成に向けた政策支援などの協議とともに、近年アフリカを始め各地の途上国で重要性が高まっている電子商取引に関する支援の調和や連携強化を目的とした枠組みとして,UNCTADが主導してeTrade for Allイニシアティブが立ち上げられました。
また、UNCTADは、定期刊行物として、「貿易開発報告」「世界投資報告」「アフリカ経済開発報告」「後発開発途上国報告」「UNCTAD統計ハンドブック」「情報経済報告」「海上運輸レビュー」などを発行しています。
参考サイト
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら