WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議) 2017/08/06 辞書

 WBCSD(World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議)は、持続可能な開発を目指す企業約200社のCEO連合体で、企業が持続可能な社会への移行に貢献するために協働しています。参加企業は、政府やNGO、国際機関と協力し、持続可能な発展に関する課題への取り組みや経験を共有。現在、参加企業は約35カ国にまで広がっています。本部はスイス・ジュネーブにあります。

歴史

 WBCSDの前身は、1990年に発足したBCSD(Business Council for Sustainable Development)です。これは、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットに向け、48人の経済人が集まったもの。第1回会議は1991年4月にオランダ・ハーグで行われ、1992年には「Eco-efficiency」という用語を提唱しました。BCSDは1995年1月、別の団体であったWICE(World Industry Council for the Environment)と合併し、WBCSDとなりました。

WBCSDの活動指針

 WBCSDの活動指針として「Vision2050」と「Action2020」があります。

Vision 2050

 「Vision 2050」は、2010年2月に策定したWBCSDの2050年までのビジョン。「In 2050, some 9 billion people live well, and within the limits of the planet(2050年には90億人の幸せな人生を限られた地球資源の枠内で実現する)」を掲げ、その実現のために「人間価値」「人間社会の発展」「経済」「農業」「食糧」「エネルギー」「建物」「交通」「資源」の9つの分野を設定しています。また「Vision 2050」では、各9分野において、「評価指標」「社会転換のための重要テーマ」「若者への教育の重要テーマ」「2020年までの最低限到達目標」も定めています。

 「Vision 2050」の策定に当っては、14業種29企業の代表が、専門家や他のステークホルダーを交え18ヶ月間に渡り議論を実施。策定プロジェクトでは、WBCSDの加盟企業であるアクセンチュアとPwCがプロジェクトマネージャーとしてサポートしました。2012年9月には、「Vision 2050」の内容を企業が自社経営に取り入れるための実践ガイドも発表されています。

Action 2020

 「Action 2020」は、「Vision 2050」の達成を見据え、2020年までのアクションを定めたもので、2014年4月に発表されました。重要分野として「気候変動」「栄養」「生態系」「有害物質」「水」「ベーシック・ヒューマン・ニーズ(人間の基本的諸要件)と人権」「スキル・雇用」「持続可能なライフスタイル」「食糧・バイオ燃料」の9つを定め、産業界はこれらに貢献するため、「測定可能で」「スケールアップ可能で」「再現可能で」「これまでとは違うやり方で」「経済合理性もある」の5つを満たすソリューションを実施してくべきだとまとめました。

参加企業

 現在(2017年4月6日時点)の参加企業の地域別構成割合は、欧州48%、北米19%、アジア・オセアニア(日本除く)14%、日本9%、中南米7%、アフリカ2%、中東1%、

 参加企業には、3M、アクセンチュア、Acer、アップル、アクゾノーベル、アルセロール・ミタル、BASF、バイエル、ブルームバーグ、BMWグループ、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、BP、ブリジストン、ブリティッシュ・テレコム、キヤノン、カーギル、中国石油天然気集団(CNPC)、中国石油化工集団(シノペック)、CLP(中華電力)、コカ・コーラ、ダイムラー、ダノン、ドイツ銀行、ディアジオ、ダウ、DSM、デュポン、eni、EY、ロシュ、フォード、富士通、ハイネケン、ヘンケル、日立製作所、本田技研工業、イケア、インフォシス、JPモルガン・チェース、ケロッグ、ケリング、小松製作所、KPMG、ミシュラン、三菱ケミカルホールディングス、三菱商事、モンサント、ネスレ、ノバルティス、オーラム・インターナショナル、ペプシコ、フィリップ・モリス、ピレリ、P&G、PwC、ラボバンク、リライアンス・インダストリーズ、ルノー日産グループ、ロイヤル・ダッチ・シェル、フィリップス、サンゴバン、セールスフォース、サンタンデール銀行、シュナイダーエレクトリック、シーメンス、ソルベイ、損害保険ジャパン日本興亜、スタトイル、住友化学、住友林業、太平洋セメント、タタ・グループ、東芝、トタル、東洋ゴム工業、トヨタ自動車、ユニリーバ、UPS、ヴェオリア、フォルクスワーゲン、ウォルマート、横浜ゴム等があります。

特徴

 WBCSDの通常の活動としては、「循環型経済」「気候変動・エネルギー」「生態系・景観管理」「社会インパクト」「持続可能なライフスタイル」「水」の6つのクラスターでプロジェクトを展開しています。また、国連持続可能な開発目標(SDGs)も積極的に意識しています。

 WBCSDは、パートナー機関を通じた国・地域別の活動も展開しています。米国はUS BCSD。英国はUK BSCD。中国はChina BCSD(CBCSD)。台湾はBCSD Taiwan。韓国はBCSD South Koreaなどの地域支部がパートナーを務めています。日本は日本経済団体連合会がパートナーとなっています。

プロジェクト

 現在、WBCSDが活動しているプロジェクトは全部で13。そのほとんどは他のNGOや財団、機関などと共同で運営されています。

  • セメント・サステナビリティ・イニシアチブ
  • 化学
  • 気候スマート農業
  • 建物のエネルギー効率
  • 森林ソリューショングループ
  • FReSH:食品業界のサステナビリティ向上
  • 非財務測定と価値評価
  • レポーティング
  • 持続可能な都市
  • Sustainable Mobility Project 2.0
  • The Industry Project
  • ゼロ・エミッション都市

参考サイト

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