Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【EIRIS Webinarシリーズ】ビルマ/ミャンマーでの事業展開に関わるリスクと企業へのエンゲージメント 2014/12/11 ESGコラム

myanmar

 QUICKのパートナーEIRISが主催するウェビナーは、世界で現在進行中のESGに関連する最新課題や議論を提供するものだ。
 今回のウェビナーでは民主化、近代化が急ピッチで進むビルマ(ミャンマー)で、ビジネスや投資をしようとする時に、責任ある投資家として留意する点にフォーカスした。実際に経済制裁が解かれた今も、現地企業への監視や継続的なエンゲージメントが必要とされている。

主なテーマ:

  • 制裁廃止後もビルマ/ミャンマーへの投資リスクが存続する理由
  • ビルマ/ミャンマーの現状
  • ESG分析・投資ウォッチによる取り組み:ビルマ/ミャンマー
  • 特定産業分析の取り組み:原油・ガス産業における広域影響の評価
  • 政府の取り組み:企業の開示、ベスト・プラクティスの考察、取組み
  • 基本的な労働者の権利への新たな取り組み
  • 2015年に期待すること

 ウェビナーのスピーカーのひとりで、「EIRIS 紛争リスクネットワーク」のディレクター、キャシー・マルビー氏(Kathy Mulvey, Director, EIRIS Conflict Risk Network)のスピーチ要旨を紹介する。

 ビルマ/ミャンマー政府は近年改革を導入しており、同国に対する制裁を各国が取りやめ、もしくは軽減しているが、改革はいずれも漸次的に行われ、逆行する可能性があるため、各国は慎重に状況を見守っている。米国政府は制裁を廃止する条件として、2013年7月1日から、ビルマへの責任投資に関する報告義務を、ビルマに50万米ドル以上投資を行う米国企業に課しており、人権、労働者の権利、環境、腐敗防止、土地買収、収入の透明性の保全と、軍事交信について報告を義務付けている。土地の没収、ラカイン州のイスラム少数民族の人権迫害、民族間の紛争、汚職などはビルマ民族のみならず、投資家にも被害をもたらすため、2014年11月のオバマ米国大統領のビルマ訪問の際にも、民族紛争、軍による憲法の支配、2015年の選挙などが焦点となった。

 EIRIS紛争リスク・ネットワークは、2012年からビルマ/ミャンマーの経済・政治動向、及び企業からの投資について本部と現地で調査を含め、投資家の立場を代表し、また、投資家との協調を促進すべく活動をしてきている。米国政府のビルマへの責任投資に関する報告義務に関する情報発信機構を設けたり、紛争の影響を受けている地域に関する情報収集・発信を行っている。紛争の影響を受けている地域は、政治的な要因が予測できないことや暴力が蔓延しており、また政府の力が弱いために、より高いリスクをはらんでいる。このため、企業としても認知されている基準や施策に基づいた強固な環境、社会、ガバナンス指針やリスク管理体制を持つことが重要である。紛争の影響を受けている地域では、企業や投資家が人権を尊重し、直接的・間接的に人権侵害を黙認しない、もしくは寄与しないこと自体が困難である。このような背景からEIRIS紛争リスク・ネットワークは「投資ウォッチ:ビルマ/ミャンマー」をスタートし、投資家が特定企業のビルマ/ミャンマーでの活動をモニタリングするためのツールを提供している。

 この他、スピーカーには「人権とビジネス研究所」研究及び法務部門担当のディレクター、マーガレット・ワケンファルド氏や米国務省からの参加者が名を連ね、1時間にわたって発表と質疑応答が行われた。

(QUICK ESG研究所)

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