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【政府・レギュレーションの動向】企業年金のガバナンス(1) 2014/12/26 ESGコラム

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社会保障審議会企業年金部会(第 13 回)について

 2014年12月15日に、社会保障審議会企業年金部会(部会長:山崎 泰彦 神奈川県立保健福祉大学名誉教授 事務局:厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課)の第13回会合が行われた。

 2014年8月20日の社会保障審議会年金部会第23回会合において、今後の検討課題として、年金部会では、「GPIFのガバナンス体制について」今後の法改正の必要性も含め、ガバナンス体制の強化について検討することとなった。他方、企業年金部会では、企業年金制度等に関する検討課題のひとつに「ガバナンスの確保」が挙げられた。

 その結果、「GPIFのガバナンス体制」については、年金部会の下、「年金積立金の管理運用に係る法人のガバナンスの在り方検討作業班」が設置され、 2014年11月4日以降年内6回の会合が開かれ、理事長の独任制から理事会による合議制に移行することについては、検討作業班のメンバーの間で議論が収斂した模様である。

 また、企業年金のガバナンスについては、「企業年金部会」において今回の会合から検討が開始された。

 今回の会合では、「企業年金のガバナンス」について議論を進めるうえで、企業年金のガバナンスの現状とこれまでのさまざまな議論の場における主な指摘と論点整理、そして、今後議論されるべき論点について以下のとおりである。

1.企業年金のガバナンスに関するこれまでの議論の整理
1-1.企業年金のガバナンスに関する現状
1-2.企業年金のガバナンスに関する指摘及び論点の整理
2.企業年金のガバナンスに係る論点
2-1.組織・行為準則
①権限・責任分担のあり方
   ◎ 権限・責任分担のあり方に関する論点
②資産運用委員会のあり方
   ◎ 資産運用委員会のあり方に関する論点
③基金の理事の専門性のあり方
   ◎ 基金の理事の専門性のあり方に関する論点    
④柔軟で弾力的な給付設計を行う場合の対応
   ◎ 柔軟で弾力的な給付設計を行う場合の対応に関する論点
2-2.監査のあり方(会計監査)について
   ◎ 監査のあり方(会計監査)に関する論点
2-3.資産運用ルールのあり方
◎ 資産運用ルールのあり方に関する論点
2-4.加入者への情報開示のあり方
   ◎ 加入者への情報開示のあり方に関する論点

参考: 2014.08.20 社会保障審議会年金部会第 23 回会合の配布資料:参考資料 4 において、「ガバナンスの確保」に関して、経団連、連合および金融関係機関等の関連団体等の意見および課題に関して以下の内容が示された。

ヒアリングにおける主な意見等

  • 企業年金は労使に帰属する。労使が十分な対話のもと、明確な運営方針を示し、絶えず関与・監視し続ける仕組みが重要。(連合)
  • 受給権保護の重要性や変動の大きい運用環境を踏まえ、一定の積立目標に対する積立不足を速やかに解消できるなど、制度のリスク等に応じた弾力的な運営ルールが必要ではないか。(経団連、金融関係団体、企業年金関係団体)
  • 企業年金実施主体が選定した運用機関の選定理由や運用状況等についての情報開示を推進すべき。(連合)
  • 従来の枠組みにとらわれない制度設計については、複数事業主の制度でもガバナンスが機能するようなトラスティ(受託者)の責任のあり方等に関して検討が必要ではないか。(部会委員)
  • DCは従業員がリスクを負うものであり、実効性のある投資教育が必要ではないか。(部会委員、連合)

課題

  • 企業年金の運営全般について、労使が明確な運営方針を示し継続的に関与・監視する仕組みのあり方
  • 一定の積立目標に対する積立不足を速やかに解消できるなど制度のリスク等に応じた弾力的な運営ルールのあり方
  • 制度設計の選択肢の多様化を図る場合における労使の関与・監視のあり方及び関係者の役割と責任のあり方(受託者責任等)
  • 制度設計のあり方に応じた効果的な投資教育のあり方

以上

関連資料
第23回社会保障審議会年金部会 資料(2014.08.20)

第8回社会保障審議会企業年金部会(2014.09.11 )

第13回社会保障審議会企業年金部会(2014.12.15 )

(QUICK ESG研究所)

執筆:菅原晴樹

編集・校正:松川

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