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【イギリス】エジンバラ大学、化石燃料への投資方針を転換へ 2015/06/08 ESG

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 化石燃料投資を巡る世界的な動きは大学にも波及している。英国エジンバラ大学は5月12日、化石燃料への投資方針を転換すると発表した。同校は昨今の機関投資家らによる化石燃料投資からの資金引揚げムーブメントを受け、責任投資へのコミットメントをどのように前進させるか協議を重ねてきた。

 最終的な結論として、エジンバラ大学は化石燃料から全ての投資資金を引き揚げるのではなく、代替資源があるにも関わらず化石燃料に依存し続けている企業への投資を避けると同時に、引き続き気候変動対策、温室効果ガス排出削減に向けた研究活動を継続していく方針を発表した。

 化石燃料関連企業への投資を巡っては、資金引揚だけではなく、株主行動を通じて企業に変革を訴えかける方法など様々な関わり方の是非が議論されている。同校の主な方針は下記の通りだ。

責任投資の推進

 エジンバラ大学は化石燃料および他のあらゆる業界の投資先企業に対して行動の変革を求める方針だ。具体的には、温室効果ガス排出量の報告とともに同業界で最も優れたパフォーマンスを出している企業をベンチマークするよう、企業に求めていくとしている。同校は特に温室効果ガス排出量が最も多い化石燃料である石炭・タールサンドの採掘企業に焦点を絞るとしており、現実的な代替資源があるにも関わらず温室効果ガス排出および気候変動対策関連の技術に投資をしていない場合、その企業への投資からは手を引くとのことだ。

 なお、同校は全ての場合において、投資方針を変更する前にそれらの企業と懸念について議論する場を持つという。また、低炭素・ゼロ炭素企業への投資も優先させるとしている。

化石燃料評価委員会の設立

 エジンバラ大学は、化石燃料投資に関する研究および最適な選択肢の提案のために化石燃料評価委員会を設立した。同委員会では投資についての検討だけでなく科学的研究を通じて化石燃料の気候変動への影響を実証してきた。また、同委員会は化石燃料がエネルギー以外にも農業肥料やプラスチック製造と鉄生産など様々な用途に使用されており、現状ではこれらの用途の多くには代替が存在しないことも認識しているとしている。

研究の推進

 多くの発展途上国が未だ暖房や清潔な水などを化石燃料に依存している中、化石燃料からの突然のシフトは世界の最も貧しい人びとの生活に多大な影響を及ぼす可能性が懸念される。そのため、エジンバラ大学は再生可能エネルギーの代替資源を探索すると共に温室効果ガス排出量を抑制するための技術開発が極めて重要だとしており、そのための研究にも強くコミットし続けるとしている。

 気候変動の主要因となっている化石燃料からの資金引揚げが世界的に広まる中、エジンバラ大学だけではなく世界中の機関投資家や企業らが、化石燃料投資にどう向きあうか、そのスタンスを問われている。同校が主張するように代替手段の少なさや開発途上国の依存状況など現実的な問題も併存しているが、今企業らに求められているのは明確な姿勢開示と具体的な行動だ。

【参照リリース】Edinburgh announces change in fossil fuels investment policy
【団体サイト】The University of Edinburgh  
【参考サイト】Fossil Fuels Review Group Report

株式会社QUICK ESG研究所

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