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【イギリス】機関投資家ら、英国政府に対して長期投資の促進に向けた計画書を提出 2015/07/22 ESG

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 合計約13.8兆ユーロの資産運用額を有する機関投資家らのグループは7月10日、英国政府に対して長期投資を促進するための具体的なアクションプランを提案・明示した計画書を提出した。

 同書は英国政府が同日公開した競争力と生産性向上に向けた計画、Productivity Planに合わせて提出されたもので、生産性向上の鍵となる長期投資の促進に向けた4つの計画が明示されている。

 計画書に署名した機関投資家の中にはAllianz Global Investors、Aviva Investors、Legal & General Investment Management、Newton Investment Management、Woodford Investment Managementらが含まれる。

 機関投資家らは計画書の中で、英国は雇用創造およびGDP成長率においては順調な推移を見せている一方で生産性上昇率は2008年以前の水準を下回る16%にとどまっており、「英国では長期投資が少なすぎるため、それが生産性の低下および低賃金につながっている」と指摘している。同書に記載されている4つの計画は下記の通り。

  1. Building on Best Practice(ベストプラクティスに基づく取り組み)
  2. Our Interactions with Investee Companies(投資先企業との対話)
  3. Reinforcing the Equity Culture(エクイティ・カルチャーの強化)
  4. Building Long-term Debt Markets(長期志向の債券市場の構築)

 1つ目の計画として、機関投資家らは政府に対し、生産性上昇率の改善に向けたアクションプランの策定をこれまでコーポレートガバナンスやダイバーシティの推進、スチュワードシップコードの導入などに幅広く取り組んできた投資家業界団体のInvestment Association主導で行うことを提案している。機関投資家らは具体的なアクションプランを年末までに政府に対して提出すると約束している。

 また、2つ目の計画として、機関投資家らは投資先企業と長期志向についてのコミュニケーションをとり、長期投資が非効率だと考えている投資先企業に対して直接的に問題提起を行っていくとしている。

 そして、機関投資家らは3つ目にエクイティ・カルチャーの強化を挙げている。計画書の中では、投資家らによる集団的な影響力の行使は長期志向を支持する政策や規制により実行されるべきだとしており、機関投資家らは英国の株主資本強化に向けた政府および産業界との合同イニシアチブの拡大を提案している。具体的には上場ルールやEUの目論見書指令の改訂などを通じた株式市場へのアクセス改善に向けた支援が挙げられている。

 最後のポイントは長期志向の債券市場の構築だ。機関投資家らは、ヨーロッパの債券市場は米国と比較して規模、柔軟性、アクセシビリティの面で大きく遅れをとっているとしており、今後より効率的な私募債市場の実現に向けた取り組みを支援していくとしている。

 なお、機関投資家らは今回の4つの計画の進行状況については定期的に報告を行い、今年の年末に初回の報告を行うとしている。英国では長期的な競争力・生産性向上に向けて機関投資家と政府が同じ方向を向いて取り組みを進めている。

【レターダウンロード】Letter: support for the government’s plan to boost productivity
【政府サイト】UK Government

株式会社QUICK ESG研究所

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