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【機関投資家】3共済の平成26年度運用状況 その3~日本私立学校振興・共済事業団 2015/08/19 ESGコラム

【機関投資家】3共済の平成26年度運用状況 その3~日本私立学校振興・共済事業団

1.日本私立学校振興・共済事業団

 日本私立学校振興・共済事業団(以下「PMAC」という。)は、従前の日本私学振興財団と私立学校教職員共済組合が1998年10月1日に解散後、日本私立学校振興・共済事業団法に基づいて設立された。私立学校の教育の充実および向上ならびにその経営の安定ならびに私立学校教職員の福利厚生を図るため、補助金の交付、資金の貸付けその他私立学校教育に対する援助に必要な業務を総合的かつ効率的に行うとともに、私立学校教職員共済法の規定による共済制度を運営し、もって私立学校教育の振興に資する唯一の機関として位置付けられている。主務大臣は文部科学大臣である。

 PMACは、私学振興いわゆる「助成業務」と「共済業務」の二つの業務を行っている。第一の「助成業務」では、私学に対する①資金的な援助、②情報提供と経営相談という両側面から、私学の経営改革と教育改革を支援している。第二の「共済業務」では、①短期給付(医療)事業、②長期給付(年金)事業、③福祉事業(保健・医療・宿泊・貯金・貸付などの事業)を運営している。

 

2.共済業務

 共済業務の加入校数、加入者数等の状況(平成26年度末)

(1)加入校数

 14,374(内訳:幼稚園8,673 専修2,008 高校1,388 中学711 大学661等)

(2)加入者数

 543,037人(内訳:大学240,923 幼稚園110,076 高校84,644 専修42,130 中学16,057)

(3)年金者数

 440,155人

 

3.共済年金

 PMACの共済年金は、私学教職員共済法等に依って「長期勘定の積立金等の運用に関する基本方針(運用基本方針)」を定め、これに基づいて管理運用するものである。現在は、2014年11年30日に変更された方針で改正された基本ポートフォリオに沿った資産運用構成を構築している。なお、現在の年金積立金は、一元化にあたり共通財源積立金(厚生年金)と独自財源積立金(旧3階部分)に仕分けることとされていることから、今回の見直しは、一元化までの暫定的な措置といえる。したがって、共通財源積立金については、一元化後のモデルポートフォリオを考慮して、改めて基本ポートフォリオを策定することとなる。また、仕分け後の独自財源積立金についても、当該積立金が旧3階部分の支払いや保険料の軽減に充てるものであることを踏まえ、新たに基本ポートフォリオを策定する予定である。

 

4.平成26年度の運用状況

(1)運用実績

  ① 収益率(修正総合利回り):8.96%

  ② 収益額:3412億円 (内、実現収益 924億円 評価損益の増減 2488億円)

  ③ 平成26年度末の運用資産額(時価)は4兆1,925億円

  ④ 年金財政上求められる運用利回りとの比較:実質的な運用利回りは、財政上の前提である実質的な利回りを上回っている。

 

(2)資産構成割合(平成26年度末)

資産区分 時価総額 構成比

基本ポートフォリオ

構成比

国内債券 2兆1227億円 50.7% 56%(±15%)
国内株式   6408億円 15.3% 13%(±5%)
外国債券   5630億円 13.4% 13%(±5%)
外国株式   5929億円 14.1% 13%(±5%)
短期資産   2730億円  6.5%  5%(±5%)
合計 4兆1924億円  100%  100%

(注1) 右欄の基本ポートフォリオについては、平成26年財政再計算結果を踏まえ、平成27年10月に施行される被用者年金制度一元化までの暫定的な措置として、平成26年11月30日付見直しを行った。

(注 2)基本ポートフォリオ構成比の( )内数字は、乖離許容幅を表す。

 

(3)運用形態別資産残高(平成26年度末)

 総資産残高(時価)4兆1924億円のうち、自家運用は2兆3957億円(57.1%)、委託運用は1兆7967億円(42.9%)の割合になっている。前年度は、総資産残高3兆8472億円のうち、自家運用は2兆5779億円(67.0%)、委託運用は1兆2693億円(33.0%)と総資産残高が2488億円増加した中で、委託運用が2241億円増加している。

出所: 日本私立学校振興・共済事業団「平成26年度 年金積立金の運用結果」 より、QUICK ESG研究所にて編集

 以上、3回に分けて、国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会(PAL)および日本私学学校振興・共済事業団(PMAC)の平成26年度運用状況について、概説をした。資産運用構成が異なるため収益率に差が出ているが、平成26年度は、それぞれ7.45%(4.61%)、11.35%(8.44%)、8.96%(7.27%)と前年度を上回っており、高い水準の収益率を確保したといえる。( )内は前年度。2015年10月1日の被用者年金制度一元化に向けて、基本ポートフォリオはGPIFと同等の水準に変更したもののまだ移行過程にあるKKR、また、PALおよびPMACは現在、暫定的な基本ポートフォリオにとどめている。今後、すでに公表されているモデルポートフォリオの構成割合に変更していく予定である。被用者年金制度の一元化と年金払い退職給付制度の創設については、別稿にて解説する。

 

【関連サイト】日本私立学校振興・共済事業団

QUICK ESG研究所 菅原 晴樹

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