Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【中国】中国工商銀行、Trucostと提携して中国の自然資本リスクモデルを開発へ 2015/09/09 ESG

shutterstock_69484864

 自然資本会計を推進する英国Trucostと中国工商銀行(以下、ICBC)は8月22日、中国特有の自然資本リスクモデルおよびツールの開発に向けて提携すると発表した。今後は中国で最も自然資本リスクを受けやすいセクターおよび地域の特定に取り組む。

 中国は現在急速に発展している同国の金融・資本市場をより環境に配慮した仕組みへと移行することに高い意欲を示しており、その具体策は中国人民銀行とUNEPが発行した報告書”Establishing China’s Green Financial System“の中にも記載されている。UNEPらは同報告書の中で、中国の既存の会計制度はインフラプロジェクトや産業活動から生じる環境面のコストを適切に評価できておらず、それらが事業・投資リスクの深刻な過小評価につながっていると指摘している。

 Turcostは、環境規制が増加している昨今において企業が正しい意思決定を行うためには環境コストを考慮した効果的な会計制度が必要であり、もし中国が環境コストを政策の枠組みに統合することができれば、投資家、企業、消費者らはより正しい選択をすることができるとしている。このような現状を踏まえ、今回ICBCとTrucostは提携に踏み切った。

 Trucostは中国の金融業界のリーダーらにより構成されるグリーンファイナンス推進団体、 The Green Finance Committeeの一員でもあり、今後はICBCと提携して中国特有の自然資本リスクモデルおよびツールの開発、金融機関らの自然資本リスク、機会に関する理解向上に取り組んでいく。

 また、同プロジェクトのパイロット銀行となるICBCは、プロジェクトを通じて社内の信用ストレステストの方法を改善させることに強い関心を示した。なお、ICBCは現在、自然資本リスクを同行のリスクマネジメントフレームワークに統合することも検討中とのことだ。ICBCは、環境リスクおよび機会の財務面の定量化に取り組む中国で初めての銀行となる。

 中国はこの数十年で急速な経済発展を実現した一方で、その代償として深刻な環境破壊も引き起こしている。自然資本という概念が導入され、そのコストと機会を中国企業や金融機関が明確に認識することは、中国の持続可能な成長にとって不可欠だ。

【参照リリース】Industrial and Commercial Bank of China and Trucost Partner to Build China Specific Natural Capital Risk Model and Tool
【レポートダウンロード】Establishing China’s Green Financial System
【参考サイト】The Green Finance Committee
【企業サイト】中国工商銀行
【企業サイト】Trucost

(※写真提供:pcruciatti / Shutterstock.com

株式会社QUICK ESG研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る