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【シンガポール】ムーディーズ、ESGの信用評価への統合に関する報告書を公表 2015/09/28 ESG

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 格付機関大手のムーディーズ・インベスターズ・サービス(以下、ムーディーズ)は9月8日、同社のESGリスクの信用評価への統合に向けた取り組みに関する報告書、”Environmental, Social and Governance (ESG) Risks – Global: Moody’s Approach to Assessing ESG Risks in Ratings and Research“を公表した。同報告書はムーディーズがESGリスクをどのように企業などの格付や評価手法、調査に組み込んでいるのか、その具体的な手法を提示したものだ。同社は既にESG要因を信用評価に取り入れている。

 アジアパシフィック地域の企業・金融機関担当マネージング・ディレクターを務めるBrian Cahill氏は「現在、我々の格付は債券発行者や業界関係者に向けた重要な信用判断材料とともにESGリスクを考慮している。我々はESGが債券発行者の債務不履行や、債務不履行時に見込まれる信用失墜の可能性に影響を及ぼす見込みがあるときにそれらを長期信用格付に組み込んでいる」と語る。

 また、ESG担当シニアバイスプレジデントを務めるHenry Shilling氏は「我々はESGの考慮を信用リスクの全体的な評価に反映させており、それらは既に我々の格付手法の一部において明確にスコアリングされている要素となっている。また、ムーディーズはほとんどの産業や業界の評価手法に組み込まれている将来の事業予測や財務健全性といったいくつかの要因の中のESGリスクについても見ている」と語る。

 一方で、ムーディーズは、ESGリスクを抱える債券発行者や業界であったとしても、信用への影響はその他の要因の考慮により軽減される可能性もあるとしている。同社はあくまで信用評価の大部分は債券発行者の財務健全性が占めているとしたうえで、ESGリスクの影響は常にその重大性や規模、タイミングを明確に特定できるわけではなく、債券発行者が事業・財務上の高い柔軟性を持ち、ESGリスクが信用評価に関わる重大な問題となる前に対処している例もあるとしている。

 企業や金融商品の格付・評価にESGリスクを統合する動きは年々高まっており、企業をはじめとする債券発行者は自身のESGリスクを正しく把握、情報開示を行い、適切に対処していくことが長期の信用を獲得する上での必須要件となりつつある。

【レポートダウンロード】Environmental, Social and Governance (ESG) Risks – Global: Moody’s Approach to Assessing ESG Risks in Ratings and Research
【参照サイト】Moody’s: Incorporating environmental, social and governance risks into credit analysis
【企業サイト】Moody’s

(※写真提供:Gil C / Shutterstock.com

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