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【日本】Fair Finance Guide Japan、大手金融機関7社の最新の社会性格付を公表 2015/10/06 ESG

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 国内NGO3団体らは10月2日、大手金融機関の投融資方針について気候変動や自然環境、人権などのテーマごとに社会性の格付を実施しているFair Finance Guide(フェア・ファイナンス・ガイド)日本版の最新の格付結果を公表した。

 Fair Finance Guideは2009年にオランダから始まったNGO活動で、現在では国際版に加えてオランダ、ブラジル、ベルギー、インドネシア、スウェーデン、フランスと各地へ活動を広げている。日本版は2014年12月に開設された。運営しているのはA SEED JAPAN、JACSES(「環境・持続社会研究」センター)、PARC(アジア太平洋資料センター)の3団体で、格付結果を市民に分かりやすく提供することで、銀行のCSRによりよい競争をもたらすことを目指している。

 今回の格付結果では、大手5機関(三菱UFJ、みずほ、三井住友、りそな、三井住友トラスト)に加えて新たに日本郵政、農林中央金庫の2機関が評価対象に加えられたほか、評価テーマにも新たに「健康」「漁業」が加えられ、合計15テーマとなった。

 合計スコアでトップとなったのは昨年に引き続きみずほフィナンシャルグループで、2位、3位は三井住友、三菱UFJが続く結果となった。また、りそなグループはCSRレポート内で「投融資先や調達・委託先(サプライチェーン)の企業活動が人権に与えるマイナスの影響に関心を持ち、法規範等に反する場合には、都度必要な対策を講じていきます。」と明記するなど「人権」に関する投融資方針が大きく改善され、今年はメガバンク3社を超える水準となった。

 A SEED JAPANらは、りそなグループの合計スコアは未だ低水準ではあるものの、Fair Finance Guideの評価基準を受けて投融資方針を改善したことは高く評価されるべきだとしており、今回新たに評価対象に加わった日本郵政、農林中金に対しても同様にスコア改善に向けた取り組みの実施を期待するとしている。

 また、スコアのアップデートに合わせて「第2回ケース調査報告書 日本の金融機関は自然環境破壊にどう涵養しているか?」も公表された。同調査によると、深刻な環境問題が指摘されている森林伐採、鉱山開発等に関わる企業に対し、今回の調査対象7社から4兆8000億円以上の投融資が実施されていることが判明したとのことだ。

 同報告書では各金融機関が掲げている投融資方針と現状とのギャップについて触れており、三菱UFJ、みずほ、三井住友は、保護価値の高い森林(HCVF)伐採への予防措置の奨励、絶滅の恐れのある種(レッドリスト)への悪影響の予防措置の奨励、環境影響評価の実施の奨励を融資方針としているが、これらの方針が適切に実施されていないことが明らかとなったとしている。

 金融機関は投融資を通じて気候変動や人権問題などの環境、社会課題に対して直接・間接的に多大な影響を及ぼしている。昨今世界では大手金融機関による化石燃料からの資金引揚げなどが広まっているが、その点日本における金融機関の取り組みは未だに発展途上と言える。今回の格付を基にして各社の取り組みが更に進展することを期待したい。

【レポートダウンロード】第2回ケース調査報告書 日本の金融機関は自然環境破壊にどう涵養しているか?
【参考サイト】Fair Finance Guide Japan

株式会社QUICK ESG研究所

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