Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【フランス】化石燃料からのダイベストメント・キャンペーンの成果、3.4兆ドルを超える 2015/12/15 ESG

shutterstock_260632763

 気候変動対応の一環として化石燃料からのダイベストメントを促進している国際NGOの350.orgおよびDivest-Investは12月2日、同団体らが展開しているダイベストメント・キャンペーンがCOP21にて記録を更新し、資産総額3.4兆米ドルを超える500以上の投資家や自治体らが何らかの形でダイベストメント・コミットメントを表明したと発表した。

 これらのコミットメントの中には部分的なものもあり、「3.4兆米ドル」という数字も実際の投資引き揚げ金額ではなく、あくまでコミットメントを表明した企業らの資産総額だが、それでもなお、この成果は目覚ましいものだ。

 今回の発表は、世界中の投資家らが自身の資金を化石燃料からクリーンで再生可能なエネルギーへとシフトさせている何よりの証拠でもある。COP21が開幕した11月30日にも、クリーンエネルギーの研究開発促進を目的として世界主要20カ国がMission Innovationを設立し、今後5年間でクリーンエネルギーのR&D投資額を現在の2倍となる200億米ドルまで拡大すると発表したほか、併せてビル・ゲイツをはじめとする民間投資家グループらもBreakthrough Energy Coalitionを発足し、クリーンエネルギー技術の市場化を支援すると約束した。

 投資家らによる化石燃料からのダイベストメントの動きは昨年から本格化していた。350.org によると、2014年9月以前から既に資産総額500億米ドルにおよぶ181の組織がダイベストメントを実行していたという。しかし、今年の後半に入ってからキャンペーンの動きは加速する。350.org とDivest-Investは今年9月に米国ニューヨーク開催されたClimate Week in New York Cityの期間中にキャンペーン参加組織数が400に、資産総額は2.6兆米ドルに跳ね上がったと発表し、COP21直前には新たなコミットメントを引き出そうと”Divest for Paris“イニシアチブを開始した。その結果、同キャンペーン開始からの10週間で、新たに100以上の組織がダイベストメントを決めたとのことだ。

 COP21を目前に新たにダイベストメントを発表したのはフランスのリール、ボルドー、ディジョン、サン・ドニ、レンヌ、イル・ド・フランスなど、19都市およびフランスの国会だ。11月25日に国民議会(下院)は投資家、企業(特に国有企業)、地方自治体らに対し、今後は化石燃料への投資を行わないよう奨励する決議案を採択した。決議案は、政策を法律として成立させるための第1歩となる。 

 また、今年9月以降にキャンペーンに参加した団体としては、オーストラリアのメルボルンが挙げられる。同国では2014年の2つの地方自治体がダイベストメントを決め、今年12月現在では14自治体に増加、その管理資産総額は55億オーストラリアドルとなっている。また世界中の首都で初めて化石燃料への投資を禁止したノルウェーのオスロは、90億米ドルのダイベストメントを決めている。

 COP21でパリ協定が採択され、世界全体で「脱」化石燃料の流れは決定的となった。今後もさらにダイベストメントが加速すると予想される中、日本政府や日本企業も世界の潮流に軸を合わせる必要は日に日に高まっている。

【参照リリース】Divestment Commitments Pass the $3.4 trillion Mark at COP21
【団体サイト】350org.
【団体サイト】Divest-Invest

株式会社QUICK ESG研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る