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【フランス】国民議会、エネルギー移行法に基づく機関投資家のESG情報開示方法を公表 2016/01/24 ESG

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 フランスの国民議会は1月6日、アセットオーナー、運用会社、保険会社ら機関投資家らがESG(環境、社会、ガバナンス)および低炭素投資に関する情報開示を行う際に活用すべき報告方法(メソドロジー)を公表した。フランスは昨年7月に低炭素社会への移行を推進するためのエネルギー移行法を制定し、その中で機関投資家らに対し、投資プロセスへのESG統合、投資先の温室効果ガス排出量、低炭素経済の投融資に関する情報開示の義務化を決めたが、今回はその詳細な報告方法が提示された形だ。

 同法は、フランスの投資家に対して投資やリスクマネジメントプロセスにおけるESG統合の中身や頻度、方法論に関する情報開示を求めており、現在政府が推奨するESGラベルや規則に対する取り組みも公表しなければならない。ESGを投資プロセスに盛り込めない場合、そのリスクの影響について概要を掲載する必要がある。

 また、同法では投資家の取るべきエンゲージメントについて、株主としての議決権行使の方針を公表するよう定めている。今回公表された利用方法(メソドロジー)は投資家に対し、ESG情報に徹底して一貫性を保つよう求めている。

 例えば、環境分野において気候変動に関連するリスクは社内外の分析により財務情報もしくは非財務情報のどちらかで詳細に記載されなければならず、物理的かつ移行的な気候変動リスクについても説明が求められる。しかし、保有資産が5億ユーロ以下の場合、投資家は投資もしくはリスク管理のプロセスの概要を情報提供できれば良い。

 一方、運用会社はESGが組み込まれたファンドを全てリスト化し、運用資産の何%がそれに該当するかを公表しなければならない。ただし、個別ファンドについては逐一情報掲載の必要はなく、ファンドの投資戦略や影響するリスク要因、投資引揚げの意思決定について言及していれば、類似のものを一括して掲載することができる。

 フランスは昨年からESG・低炭素社会を後押しする金融システムの構築に向けて法律面の整備を行ってきた。昨年末にパリで実施されたCOP21では各国政府が掲げた目標の法的拘束力をどこまで確保できるかが大きな議論になったが、会議主催国のフランスは既に法制度面においてグローバルの先駆けとなっている。

【参考サイト】LOI n° 2015-992 du 17 août 2015 relative à la transition énergétique pour la croissance verte – Article 173
【参考サイト】The Energy Transition a user’s guide
【機関サイト】French National Assembly

(※写真提供:Anton_Ivanov / Shutterstock.com

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